toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

Gary Bradski, Adrian Kaehler 「詳解 OpenCV ―コンピュータビジョンライブラリを使った画像処理・認識」オライリージャパン 2009

特定の応用を持っているわけではないですが、画像処理や画像認識が比較的見栄えもよくて処理することが多いので、OpenCV の本を買ってみましたが、実際のところはほとんど matlab で書いていました。 matlab は R や Python で定番のパッケージを後追いで実…

David Edmonds "Oxford Reverse Dictionary" Oxford university press 2002

今の時代と違って子供時代はまわりに英語というものがまったくない世界で成長しました。中学に入るといよいよ英語ということで、最初に英語が表音文字でないことに強烈な違和感があって第一歩からつまずきました。中学で通っていた掘っ立て小屋の山北塾では…

日本地球化学会(監修)「地球化学概説」培風館 2005

地質分野の人たちとの交流については何回か書きましたが、最近はその交流が一番しっくり来ています。もちろん自分の分野ではないので、地質メインの話で盛り上がっているところには入っていけず疎外感を感じることもないではないです。ただ、お客さんとして…

北原和夫ほか「非平衡系の科学I・II・III」講談社 1994

なんとなく年度末で,気持ちがせわしなくてここの更新もちょっとおろそかになっています.産総研での残された時間はまだ2年もあるので,のんびりやっていけばよいのですが,こういうのはさぼりだすととめどなくなるので,少なくとも本の整理をはじめてから…

D.J. Amit "Modeling brain functions" Cambridge university press 1989

Amit は第2次ニューラルネットブームの主力研究者の一人だと思いますが、具体的にどういう研究をした人なのかはよく知りません。 この本で出てくる脳のモデルはアトラクタダイナミクスに着目したもので、日本だと津田一郎先生とか谷淳さんとかがこの方面に近…

中村滋「フィボナッチ数の小宇宙」 日本評論社 2002

フィボナッチ数は高校でも数列の基本として習いますし、機械学習だと動的計画法の導入で少し使ったりします。というわけで身近な題材ですが、これもタイトルにつられて研究費の余りで購入した本です。 話は思っていたより多岐にわたり、数論における未解決問…

志村五郎「数学をいかに教えるか」ちくま学芸文庫 2014

教えるという問題は非常に難しく何が最適なのかいまだによくわからないところがあります。ということで、こういう有名数学者の教育論にはついつい触手が伸びてしまいます。 数学についてのよく議論される掛け算の順番の話にもこの本では触れられています。演…

J.D.Lee 「基礎無機化学」改訂版 東京化学同人 1979

以前に有機化学の本を取り上げましたが、それの無機科学版です。大学入試の季節ですが、私が東大に入ったのも運の要素がかなり強いと思います。統計をやっていれば当然のことですが、大部分の受験生はボーダー付近に集まっていて、それらの人にとっては、問…

ポール・コリンヴォー「猛獣はなぜ数が少ないか」早川書房 1982

大学生のころまではこの手の一般向けの科学読み物を買って読んでいました。生態学の解説本ですが、こういうキャッチーなタイトルにひかれてつい手に取ってしまっていました。ただ、ある程度の歳になってくると、こういうタイトルをつける本は逆に中身に自信…

苧阪 直行(編) 「脳と意識」朝倉書店 1997

朝倉の脳科学シリーズの1冊としてとりあえず買った本です。正直なところ意識というものにそれほどの興味をいだいていないというか、なにやら怪しげな雰囲気がただよっているので避けているという感じであまり触れないようにしてきたテーマです。 実際のとこ…

アルク「英辞郎 第八版 Ver.141」アルク 2014

最近は紙の辞書を引くということもめったになくなりましたが、10年くらい前までは英辞郎とかのお世話になることは多かった気がします。自分の英語語彙力はそんなに増えた気もしませんが、普通の論文なんかはそれほど不自由なく読めるので、分野限定的に語…

J. Langr, V. Bok「実践GAN 敵対的生成ネットワークによる深層学習」マイナビ出版 2020

一時期は大革命という感じで言われていた GAN ですが,今ではすっかり拡散モデルの勢いに押されている感じがあります.もともと学習の制御がなかなか難しいという話で,それゆえにいろんなタイプの GAN が生まれたわけですが,結局よりシンプルな拡散モデル…

池井満,林浩史,田中智子「インテル Parallel Studio プログラミングガイド」カットシステム 2009

2000 年代に入ると手元のPCでも CPU のコア数が増えたり,マルチCPUにしたりと計算環境がどんどんよくなりました.さらに一人で複数マシンを使うということもこのころが一番やっていました.今はセキュリティが厳しくなったこともあり,とても複数台のPCで自…

岡田 昌史(著者代表)「Rパッケージガイドブック」東京図書 2011

2010年前後何年かは R の勉強会で情報共有されるくらいネット上の情報は少ない時代でした。たくさんあるRのパッケージもどれを使えばよいかよくわからなかったのでこういう本は重宝しました。今やこのような本の存在価値は薄らぎましたが今のデータサイエン…

S. Boyd, L. Vandenberghe "Convex Optimization" Cambridge University Press 2004

この本は pdf がダウンロードできるので持っている必要は全くなかったのですが、それを知らずに凸最適化の定番教科書ということで買ってみましたが、例によってその巨大さもあって、完全に本棚の重しと化しています。 まあ凸最適化なので、自分の研究範囲だ…

B. V. Gnedenko "Theory of probability (sixth edition)" Gordon and breach science publishers 1997

統計学と機械学習の間のギャップについて考えることが多いですが,実は確率論と統計学の間のギャップというのもある気がしています.もちろん数理統計学というのは確率論と近いのですが,統計学全体の中で数理統計学の研究というのはほんの一部に過ぎず,多…

浅野 孝夫「情報の構造 上下」日本評論社 1994

浅野先生は直接の面識はありませんが計数の先生方、特に伊理研関係の人とはつながりが強いので名前はよくお聞きしていました。 この本はデータ構造とネットワークなどの離散アルゴリズムの話がまとめられています。学生の時もスタックとか FIFO とか基本的な…

M.P. Wand, M.C. Jones "Kernel smoothing" Chapman & Hall 1994

本の残りが少なくなってきたのもあり、出張したりちょっと忙しいとこのブログの更新もついつい怠りがちです。閏年なのに2月のエントリーが28個しかなくて、1日借金があるのでいつか更新しようと思っているのですがその1個がなかなか追いつけません。 SV…

有賀 貞、大下 尚一(編)「概説アメリカ史―ニューワールドの夢と現実」 有斐閣 1979

この本は駒場の教養科目で西洋史か何かを取っていたのでその教科書だと思います。大学入ったら羽伸ばして遊び中心でと思っていたので基本的には単位を取りやすいものを選びました。ただし、受験の時に世界史・倫社を選択したのでその関連のものは結構あると…

水谷営三「コントラクトブリッジがわかる本」 鶴書房 1980

甘利先生もそうですが、研究者にはゲームが好きな人が一定数います。電総研ではコントラクトブリッジの強い人がいて、確か浅井さんとかはなにか大会とかにも出るとかいう話がありました。 情報数理だと関田さんが少しやっていて、この本は関田さんからもらっ…

B.W.チャー「はじめての(よくわかる)MapleV」サイバネットシステム 1993

以前も書いたと思いますが、数式処理システムは電総研に入って最初のころは Mathematika を使っていましたが、田中さんに Maple を教えてもらってから Maple を使うようになりました。さらに産総研では一時期サイトライセンスをもっていた時期があったので必…

P. スペクター 「Rデータ自由自在」シュプリンガー東京 2008

Rとか python とかだと、行列をベクトルにしたり逆の操作をしたりという操作がいっぱいあって、いつも覚えきれずに混乱していますが reshape とか reshape2 パッケージを使いこなせばたいていのことはできます。 今はこの本を参照してそれを解決するというこ…

浦川肇「変分法と調和写像」裳華房 1990

変分法と最初に出会ったのは物理の講義でオイラーラグランジュ方程式とかで出てきた時だと思います.まあなんかわかったようなわからないような未消化の状態でしばらく忘れていました.電総研に入って,大津さんの仕事とかを勉強していくうちに,最適非線形…

森藤正人「量子波のダイナミクス ーファインマン形式による量子力学ー」吉岡書店 2005

この本は経路積分について知りたくて買った本です.機械学習のダイナミクスの解析でも時々経路積分を使った方法が出てくるので基礎的なことは知っておく必要があります.この教科書はかなりわかりやすく書かれているとはいえ,物理に寄りすぎていていまいち…

韓 太舜「情報理論における情報スペクトル的方法」培風館 1998

情報理論において画期的な進展があり,それが本で勉強できるということで評判になっていた本書を買ってみました.ただ,表面的に情報理論を知っているだけの自分のような人間にはぱらぱらと読んだだけではどこがすごいのかいまいちわかっていません. ただ,…

P.R.ローンズ, W.W.クーリー 「計算機実験をとりいれた初等統計」サイエンス社 1971

この本の入手経路は忘れてしまったのですが,個人的にお世話になった訳者の伏見先生ご自身が所持されていたものが私のところに回ってきた可能性が高いです.古い本で,中の紙も劣化が進んで特に周辺部の日焼けがすごいです. 計算機実験は FORTRAN がベース…

Bernhard Schölkopf, Koji Tsuda and Jean-Philippe Vert "Kernel methods in comnputational biology" MIT Press 2004

今はすっかり深層学習に取って代わられた感がありますが、この本が出たころはバイオインフォマティクスもカーネル法が全盛でした。津田さんとJP Vert さんたちが編集したこの本はある意味その集大成だったのかもしれません。 井手さんがカーネル本の書評で「…

高橋昌一郎 (監修)「絵でわかる パラドックス大百科」ニュートンプレス 2019

論文になるような研究というのは多少なりとも直感に反するパラドックスのような現象を発見してそれを説明したり解決したりという側面がある気がします。まあ極あたりまえというようなことをちゃんと実験計画を立てて立証するということも重要な研究だと思い…

Emanuel Parzen, Kunio Tanabe, Genshiro Kitagawa (eds) "Selected Papers of Hirotugu Akaike", Springer 1998

甘利研にいた時代には赤池先生の仕事についてはあまりよく知りませんでしたし、甘利先生自身の赤池先生に対する評価もそれほどすごいという感じではなかった気がします。ただしその後統数研の方々とつきあっていくと、赤池先生はすごい人だったというような…

永田 靖「サンプルサイズの決め方」朝倉書店 2003

機械学習や統計の話をしたり、共同研究なんかでよく出てくる質問の一つがサンプルサイズをどれくらいとればよいかということで、この本を買ってみました。 実際問題に対してこの質問に明確に答えるのは極めて難しいと思います。ディープラーニングだともはや…