toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

M.I.Jordan, T.J.Sejnowski "Graphical Models: Foundations of Neural Computation" MIT Press 2001

この本は Neural computation に掲載された論文からの selected paper で作られた本で、Jacobs & Jordan の mixture of experts とか、Attias の independent factor analysis, Gharamani とかの Variational Bayes など、機械学習の歴史の中で重要な論文がたくさん入っており、自分自身の研究にもかかわりが深いものが多いです。Kappen の論文も載っていました。

 

何度も書いていますが、この頃の機械学習の研究はモデルも単純でいろいろなアイディアや理論計算がやりやすいよい時代でした。自分の研究人生としてはもはや終わりが見えている昨今ですが、90年代、世の中では機械学習がそれほど注目されていなかった時代に楽しく実りある幸せな研究人生だったと思います。今は何もかもが不自由で、純粋な気持ちで研究に向き合うことが難しい時代で、少しでも若い人たちの自由な研究環境を守りたいとは思うのですが、自分に力がなさ過ぎて無力感を感じます。

 

産総研の近いところだと、後藤さんや大西さんのように一大勢力を作って、上からのわけのわからない圧力に抵抗するという手はあると思うのですが、私に人望がなさすぎて人が集まらないので、ひたすら仙人あるいは地縛霊として見守ることしかできません。