toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

J. アルバート「Rで学ぶベイズ統計学入門」  シュプリンガー東京 2012

ここ数年は機械学習やベイズ統計なんかのセミナーを頼まれることが多くなりました。統数研の公開講座や放送大学なんかもそれの仲間です。早稲田以外は恒常的に授業をもっていない私はセミナーのためのスライドとか資料を持っていなかったため、最初は結構準…

宮川 雅巳「統計的因果推論: 回帰分析の新しい枠組み」朝倉書店 2004

因果関係を知りたいという要望は共同研究をしていると山のようにありますが、私が因果推論にそれほど詳しいわけでもないこともあり、特に介入がない場合の因果推論は難しいのでやめておいた方がよいとお断りすることが多いです。 逆に因果とか言わなければ、…

甘利俊一「バイオコンピュータ」岩波書店 1986

この本は時期的に計数工学科に進学した後に買った本だと思いますが、たぶんそれまで甘利先生の名前は知らなかったと思います。どのような経緯でこの本を手に取ったかの記憶は今となってはありませんが、結果的にこの本をきっかけに甘利研に進み、その後の長…

増田久弥「非線形数学」朝倉書店 1985

非線形と言ったときに,線形でないものの意味か,線形を含むより一般的なという意味かで捉え方がやや変わってくるように思います.本書はどちらかといえば前者で,不動点とかから始まって,分岐やソリトンなどの話題がコンパクトにまとまっています.一方,…

V.V.ニクソン,I.R.シャファレヴィッチ「幾何学と群」シュプリンガーフェアラーク東京 1993

この本も電総研に入って3年ほどして買った本で,帯についている「欧米ベストセラー」という踊り文句につられて買った本です.原著がロシア語で,しかも数学の本でベストセラーってどういう感じかというのが想像もつきません.訳者の根上先生という方も書か…

Gary Bradski, Adrian Kaehler 「詳解 OpenCV ―コンピュータビジョンライブラリを使った画像処理・認識」オライリージャパン 2009

特定の応用を持っているわけではないですが、画像処理や画像認識が比較的見栄えもよくて処理することが多いので、OpenCV の本を買ってみましたが、実際のところはほとんど matlab で書いていました。 matlab は R や Python で定番のパッケージを後追いで実…

David Edmonds "Oxford Reverse Dictionary" Oxford university press 2002

今の時代と違って子供時代はまわりに英語というものがまったくない世界で成長しました。中学に入るといよいよ英語ということで、最初に英語が表音文字でないことに強烈な違和感があって第一歩からつまずきました。中学で通っていた掘っ立て小屋の山北塾では…

日本地球化学会(監修)「地球化学概説」培風館 2005

地質分野の人たちとの交流については何回か書きましたが、最近はその交流が一番しっくり来ています。もちろん自分の分野ではないので、地質メインの話で盛り上がっているところには入っていけず疎外感を感じることもないではないです。ただ、お客さんとして…

北原和夫ほか「非平衡系の科学I・II・III」講談社 1994

なんとなく年度末で,気持ちがせわしなくてここの更新もちょっとおろそかになっています.産総研での残された時間はまだ2年もあるので,のんびりやっていけばよいのですが,こういうのはさぼりだすととめどなくなるので,少なくとも本の整理をはじめてから…

D.J. Amit "Modeling brain functions" Cambridge university press 1989

Amit は第2次ニューラルネットブームの主力研究者の一人だと思いますが、具体的にどういう研究をした人なのかはよく知りません。 この本で出てくる脳のモデルはアトラクタダイナミクスに着目したもので、日本だと津田一郎先生とか谷淳さんとかがこの方面に近…

中村滋「フィボナッチ数の小宇宙」 日本評論社 2002

フィボナッチ数は高校でも数列の基本として習いますし、機械学習だと動的計画法の導入で少し使ったりします。というわけで身近な題材ですが、これもタイトルにつられて研究費の余りで購入した本です。 話は思っていたより多岐にわたり、数論における未解決問…

志村五郎「数学をいかに教えるか」ちくま学芸文庫 2014

教えるという問題は非常に難しく何が最適なのかいまだによくわからないところがあります。ということで、こういう有名数学者の教育論にはついつい触手が伸びてしまいます。 数学についてのよく議論される掛け算の順番の話にもこの本では触れられています。演…

J.D.Lee 「基礎無機化学」改訂版 東京化学同人 1979

以前に有機化学の本を取り上げましたが、それの無機科学版です。大学入試の季節ですが、私が東大に入ったのも運の要素がかなり強いと思います。統計をやっていれば当然のことですが、大部分の受験生はボーダー付近に集まっていて、それらの人にとっては、問…

ポール・コリンヴォー「猛獣はなぜ数が少ないか」早川書房 1982

大学生のころまではこの手の一般向けの科学読み物を買って読んでいました。生態学の解説本ですが、こういうキャッチーなタイトルにひかれてつい手に取ってしまっていました。ただ、ある程度の歳になってくると、こういうタイトルをつける本は逆に中身に自信…

苧阪 直行(編) 「脳と意識」朝倉書店 1997

朝倉の脳科学シリーズの1冊としてとりあえず買った本です。正直なところ意識というものにそれほどの興味をいだいていないというか、なにやら怪しげな雰囲気がただよっているので避けているという感じであまり触れないようにしてきたテーマです。 実際のとこ…

アルク「英辞郎 第八版 Ver.141」アルク 2014

最近は紙の辞書を引くということもめったになくなりましたが、10年くらい前までは英辞郎とかのお世話になることは多かった気がします。自分の英語語彙力はそんなに増えた気もしませんが、普通の論文なんかはそれほど不自由なく読めるので、分野限定的に語…

J. Langr, V. Bok「実践GAN 敵対的生成ネットワークによる深層学習」マイナビ出版 2020

一時期は大革命という感じで言われていた GAN ですが,今ではすっかり拡散モデルの勢いに押されている感じがあります.もともと学習の制御がなかなか難しいという話で,それゆえにいろんなタイプの GAN が生まれたわけですが,結局よりシンプルな拡散モデル…

池井満,林浩史,田中智子「インテル Parallel Studio プログラミングガイド」カットシステム 2009

2000 年代に入ると手元のPCでも CPU のコア数が増えたり,マルチCPUにしたりと計算環境がどんどんよくなりました.さらに一人で複数マシンを使うということもこのころが一番やっていました.今はセキュリティが厳しくなったこともあり,とても複数台のPCで自…

岡田 昌史(著者代表)「Rパッケージガイドブック」東京図書 2011

2010年前後何年かは R の勉強会で情報共有されるくらいネット上の情報は少ない時代でした。たくさんあるRのパッケージもどれを使えばよいかよくわからなかったのでこういう本は重宝しました。今やこのような本の存在価値は薄らぎましたが今のデータサイエン…

S. Boyd, L. Vandenberghe "Convex Optimization" Cambridge University Press 2004

この本は pdf がダウンロードできるので持っている必要は全くなかったのですが、それを知らずに凸最適化の定番教科書ということで買ってみましたが、例によってその巨大さもあって、完全に本棚の重しと化しています。 まあ凸最適化なので、自分の研究範囲だ…

B. V. Gnedenko "Theory of probability (sixth edition)" Gordon and breach science publishers 1997

統計学と機械学習の間のギャップについて考えることが多いですが,実は確率論と統計学の間のギャップというのもある気がしています.もちろん数理統計学というのは確率論と近いのですが,統計学全体の中で数理統計学の研究というのはほんの一部に過ぎず,多…

浅野 孝夫「情報の構造 上下」日本評論社 1994

浅野先生は直接の面識はありませんが計数の先生方、特に伊理研関係の人とはつながりが強いので名前はよくお聞きしていました。 この本はデータ構造とネットワークなどの離散アルゴリズムの話がまとめられています。学生の時もスタックとか FIFO とか基本的な…

M.P. Wand, M.C. Jones "Kernel smoothing" Chapman & Hall 1994

本の残りが少なくなってきたのもあり、出張したりちょっと忙しいとこのブログの更新もついつい怠りがちです。閏年なのに2月のエントリーが28個しかなくて、1日借金があるのでいつか更新しようと思っているのですがその1個がなかなか追いつけません。 SV…

有賀 貞、大下 尚一(編)「概説アメリカ史―ニューワールドの夢と現実」 有斐閣 1979

この本は駒場の教養科目で西洋史か何かを取っていたのでその教科書だと思います。大学入ったら羽伸ばして遊び中心でと思っていたので基本的には単位を取りやすいものを選びました。ただし、受験の時に世界史・倫社を選択したのでその関連のものは結構あると…

水谷営三「コントラクトブリッジがわかる本」 鶴書房 1980

甘利先生もそうですが、研究者にはゲームが好きな人が一定数います。電総研ではコントラクトブリッジの強い人がいて、確か浅井さんとかはなにか大会とかにも出るとかいう話がありました。 情報数理だと関田さんが少しやっていて、この本は関田さんからもらっ…

B.W.チャー「はじめての(よくわかる)MapleV」サイバネットシステム 1993

以前も書いたと思いますが、数式処理システムは電総研に入って最初のころは Mathematika を使っていましたが、田中さんに Maple を教えてもらってから Maple を使うようになりました。さらに産総研では一時期サイトライセンスをもっていた時期があったので必…

P. スペクター 「Rデータ自由自在」シュプリンガー東京 2008

Rとか python とかだと、行列をベクトルにしたり逆の操作をしたりという操作がいっぱいあって、いつも覚えきれずに混乱していますが reshape とか reshape2 パッケージを使いこなせばたいていのことはできます。 今はこの本を参照してそれを解決するというこ…

浦川肇「変分法と調和写像」裳華房 1990

変分法と最初に出会ったのは物理の講義でオイラーラグランジュ方程式とかで出てきた時だと思います.まあなんかわかったようなわからないような未消化の状態でしばらく忘れていました.電総研に入って,大津さんの仕事とかを勉強していくうちに,最適非線形…