toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

CQ ham radio 編集部 「最新初級ハム国家試験問題集」CQ出版社 1985

アマチュア無線というものに憧れがあって大学の時に問題集は買ってみたものの、結局受験することはありませんでした。高校生の頃はパソコンよりマイコンという言い方の方がメジャーだったと思いますが、マイコンマニアとアマチュア無線とはかなりマニア層が…

永尾 太郎 「ランダム行列の基礎」 東京大学出版会 2005

機械学習モデルの解析のための力強いツールの一つはランダム行列の固有値の分布です。特にマルチェンコパスツール則やウィグナー則のように、相関行列のような機械学習で典型的に出てくる行列にランダム性を課せば、きれいな固有値分布が得られるというのは…

就職対策研究会(編)「’90 I種国家公務員」高橋書店 1989

私が就職したころはまだバブル崩壊直前で完全な売り手市場でした。世の中全体が浮かれていて、理系の学部でも金融やコンサルなんかに就職するのがおしゃれでしたし、理系企業でも民間ならばたくさん給料がもらえるという感じでした。学部時代は、計数の先輩…

藤田五郎「演習本位 新和文独訳」第三書房 1951

第二外国語をドイツ語に選んだのは、なんか英語に似ていて楽そうという単純な動機でした。英語すらまともにできないのにという気がしないでもないですが、東大教養ではこの第二外国語の成績というのがかなり大きなウェイトを占めていて、第二外国語を落とす…

西田和明「ブルーバックス 電子工作入門 知的ホビイストのために」講談社 1979

子供のころからどうしようもなく手先が不器用で、小学生の時に買ってもらった戦車のプラモデルとか完成させられませんでした。小中学校の図工の時間でも工作系はことごとくひどい出来だったと思います。 そんな中でも、絵は(今覚えば)子供らしいヘタウマ感…

上田拓治「44の例題で学ぶ統計的検定と推定の解き方」オーム社 2009

普通機械学習分野にいるとなかなか検定論とは出会いません。多くの機械学習の教科書は推定のところだけを説明しているように思います。ということで、私も検定はあまりちゃんとは勉強してこなかったのですが、いろいろやっていると検定についても聞かれるこ…

中野藤生、服部眞澄「エルゴード性とは何か」丸善 1994

大学にいるときには触れることのなかったエルゴードという謎の言葉を知りたくてこの本を購入しましたが、正直全くわかりませんでした。タイトルにエルゴード性とは何かとなっているにも関わらず、エルゴード性とは何かについて書かれているのは2章からとな…

野呂正行、横山和弘「グレブナー基底の計算 基礎編 計算代数入門」東京大学出版会 2003

確か藤木さんとの研究だったと思いますが、コンピュータビジョンのある種の問題が多変数の4次方程式を解く問題に帰着されるというような研究をしたことがあります。だいぶ前に塩漬けにしてしまったので詳細は忘れましたが、その時に、それを解くヒントとして…

高橋健夫「図解コーチ ハンドボール」 成美堂書店 1981

子供の頃は学校から帰るとランドセルを家に投げ込んでそのまま野原を駆け回って遊んでいたような感じだったので、体を動かすことは嫌いではなかったですが、ヤセでチビだったので体力はまったくありませんでした。父親が運動系の人だったのと、やはり子供の…

神嶌敏弘(編)「深層学習」近代科学社 2015

深層学習という名称はすっかり定着していると思いますが、ディープラーニングにこの訳語をつけたのは神嶌さんだと思います。この本のベースとなった人工知能学会誌の2013年5月号の特集号の冒頭で神嶌さんと松尾さんの連名でこの訳語を使うということが書かれ…

グレン・パケット「科学論文の英語用法百科 第1編」京都大学学術出版会 2004

この本が出た時は自分が論文を書いていくうえでの必携の書だと思っていましたが、最近ではこの本の出番はほとんどなくなってしまいました。言うまでもなく、文法チェックの支援システムがとても充実してきていて、MS Word で編集しているときすらいろいろ警…

石黒浩三「光学」第2版 共立出版 1977

教養のときか進振り後かすらほとんど記憶がありませんが、光学という講義があってその時の教科書を見つけました。後にレンズの較正の話をやったときに、「全く勉強したことないと思うけど光学とってたはず」と思った記憶があります。今この本を見返してみる…

Donald E. Knuth "The TeXbook" Addison Wesley 1984

TeX との出会いはちょうど卒論を書いている頃だったと思います。それから30年以上使っていて、まだまだこれからもずっと使っていきそうということで、息の長いシステムだと思います。 ただし、卒論も修論も TeX (しかも plain TeX)を使ったのは実は参考文…

西森秀稔「スピングラス理論と情報統計力学」岩波書店 1999

西森先生は情報分野の学会にそれほど出てこられる方ではなく、年齢も1世代上の方なので、直接の面識はあまりないのですが、樺島さんらを通じて知っていました。この本にも出てきますが、 スピングラスモデルの解析で出てくる相図の曲線に西森ラインという個…

二畳庵主人「漢文法基礎」増進会出版社 1977

高校時代の参考書はほとんど処分してしまったのですが、この本は今でも持っています。wikipedia によると加地伸行という研究者の方がペンネームを使って書かれた本ということで、かなり本格的な内容なんだと思います。 ただし、高校時代はこの本を読んで漢文…

犬井鉄郎, 石津武彦「複素函数論」東京大学出版会 1966

複素関数論の教科書はこの本でした。計数を含む応用物理では進振り後に2年生の後期に複素関数の授業があったと思います。それまで複素関数は実部と虚部の2変数関数の延長線上くらいに思っていたのが、正則関数と一致の定理とか、解析接続とか、留数を使っ…

G. J. McLachlan, T. Krishnan "The EM Algorithm and Extensions", Wiley 1996

この本は今は第2版が出ているようです。前にも書いたように、EM アルゴリズムを知ったのはだいぶ遅かったのですが、その後博士論文とかいろいろな研究でお世話になった手法です。この本は 1996 年に出たものなのですが、この本を買った頃は EM アルゴリズム…

久保亮五(編)「大学演習 熱学・統計力学」裳華房 1961

熱力学は高校でカルノーサイクルとかの計算をさらっとやった程度でしたが、熱機関のようなものが割とシンプルな原理で説明できることは面白いと思った反面、運動方程式のようにたくさんの問題を解いたわけでもないので、そんなに身につきませんでした。 大学…

H.Yanai, A.Okada, K.Shigemasu, Y.Kano, J.J.Meulman (eds) "New Developments in Psychometrics" Springer 2003

この本は 2001 年に大阪で開かれた IMPS (International Meeting of the Psychometric Society) という会議をベースに集められた論文集です。自分がどういう経緯でそこで発表することになったのか忘れてしまったのですが、カーネル正準相関分析(CCA)の話を発…

J.P.クライン,M.L.メシュベルガー「生存時間解析」シュプリンガージャパン 2009

私の持っている版はシュプリンガージャパン発行ですが、今はビショップ本と同じく丸善出版から出ています。出版業界というのも生き残りをかけて大変な状況だと思います。 この本は、東大病院と臨床データ解析を試みた時に買った本です。それまでまともに生存…

R. Stallman 「GNU Emacs マニュアル (bit 別冊)」共立出版 1988

古い本を片付けていたらこんな本が出てきました。bit という雑誌もなつかしいです。ということでテキストエディタについて思い出してみようと思います。 最初にテキストエディタを使ったのは自分の NEC PC88 に CP/M という OS で使っていた Wordmaster でし…

勝部真長(編)「倫理・社会用語集」学生社 1983

専門書だとあまり昔のことが振り返れないので、高校時代に使っていた参考書で手元にあったこの参考書をとりあげます。今の大学入試共通テストに相当するものは当時は共通一次試験という名前でした。私は社会の2科目は世界史と倫社を選択しました。世界史は今…

Brendan J. Frey, "Graphical models for machine learning and digital communication". MIT press 1998

RWCも佳境で、樺島&フレンズとかも始まったころ、本村さんを中心としてベイジアンネットワークが流行り始めていました。本村さんとかはのめりこんだ感じでしたが、私は例によってスロースターターで、まあそんなのもあるのかぐらいのとらえ方でした。 たぶ…

中島秀之「Prolog」産業図書 1983

この本は電総研に入る前に Prolog を勉強するのに買った本です。論理推論の形が容易にプログラムできる Prolog はほかの言語とはだいぶ違っていて面白かったです。LISP は和田先生の講義がありましたが、Prolog の講義があったかどうかはあまり記憶にはあり…

木村資生「分子進化の中立説」紀伊国屋書店 1986

昔 GA とかの輪読をしていて気になったのは、実際の生物の進化がどうなっているかということで、例えばそういうものが計算理論的にも有効であれば取り入れてみようと思うわけです。とりあえずそのあたりの有名本であるこの本を買ってみました。 結論から言っ…

S.マックレーン「圏論の基礎」丸善出版 2012

同僚が圏論を用いた認知科学という研究をしていたので、圏論という言葉や雰囲気はかなり前から知っていました。いろいろ見た目が違う対象を人間が同じように認識できるというのを圏論という道具を使って調べるという話ですが、圏論に対する知識が浅いことも…

Barry C. Arnold, N. Balakrishnan, H.N.Nagaraja "A first course in order statistics", Wiley 1992

先日取り上げた Huber の robust statistics の中に L-estimator というのが出てきて、ここで統計勉強していない私がはじめてちゃんと順序統計量というものに出会いました。ということで順序統計量についてちょっと知りたくなってこの本を買いました。 書名…

竹村彰通 「現代数理統計学」創文社 1991

今は違う出版社から新しい版が出ているようです。まさに統計学の王道という教科書で、とにかくこれを読んでおけば間違いないというしっかりした内容ですし、かといって数理的に難しすぎるわけではないという本です。 竹村先生は、ピアノで藝大に入った後、や…

J.J.ギブソン「生態学的視覚論」サイエンス社 1985

最近はあまり聞かなくなりましたが、視覚AIや脳科学の視覚研究で一時期ギブソニアンと言われる人たちがたくさんいました。この本はその元祖的なギブソンが書いた視覚に関する本です。ただ、私にはあまり合わない感じなので実際のところほとんど読んでいませ…

T. Hastie, R. Tibshirani, J. Friedman, "The Elements of Statistical Learning: Data Mining, Inference, and Prediction" Second Edition 2009

電総研から産総研になって程なくこの有名な機械学習の教科書の第1版を輪読しました。 国の機関から独立行政法人になって何が起きるか戦々恐々としていましたが、初めのころは研究者にとってむしろ自由度が高い環境になっていたと思います。運営費交付金の繰…