toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

Donald E. Knuth "The TeXbook" Addison Wesley 1984

TeX との出会いはちょうど卒論を書いている頃だったと思います。それから30年以上使っていて、まだまだこれからもずっと使っていきそうということで、息の長いシステムだと思います。

 

ただし、卒論も修論TeX (しかも plain TeX)を使ったのは実は参考文献だけで、本文は手書きでした。自分の下宿にはまだ PC88 しかなくて、TeX をまともに走らせられる環境というのがありませんでした。輪講とかの資料も全部手書きで、しかもそのころはコピー代が貴重だったので、枚数がある程度以上の場合は輪転機を使って青焼き印刷をしていました。まああれはあれで便利でしたが隔世の感はあります。

 

TeXbook は伏見研・伊理研あたりで輪講しているのを横目で見ていた感じでした。甘利研は、ワークステーションのような専用の DTP システムを導入していて秘書さんが主にそれを使っているイメージで、倉田さんとかは一太郎で博士論文書いていましたし、まだまだ TeX で論文を書くというのはそれほど多くはなかったように思います(一太郎というのも懐かしい響きです)。

 

私が最初に論文を書いたのは、修士論文の内容を通信学会のNC研究会に甘利先生と共著で出した時だと思いますが、それは TeX だったのかどうだったのか忘れてしまいました。

 

電総研に入ると、LaTeX を覚えて基本的にはそれ以降は論文は LaTeX で書いています。ただ、分野によっては MS Word が標準とかのところもありカルチャーショックを受けることもあります。Word や Powerpoint も、数式を入れるのが昔は面倒でしたが、今は TeX 互換の入力体系になりだいぶ楽になりました。なので、最近は学会発表とかは Powerpoint で作ることも増えました。

 

しかし、論文はやはりテキストの形で持っているのがなんとなく安心できます。電子ファイルは変なフォーマットだと、後で読めなくなったりする不安があって、テキストが結局一番頼りになります。とはいえもはやメールはセキュリティ関係でローカルに保存することもなくなりましたし、残しておくという考え方自体が時代遅れなのかもしれません。