toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

伊理 正夫、藤野 和建「数値計算の常識」共立出版 1985

計数3年~4年になる頃に、小さな計算機室のようなところに PC が数台導入されて、学部生はそこでたむろすることが多かったです。やることといえば PC のゲームで、NetHack にみんなではまっていました。その元祖の Rogue にはまったのはむしろ電総研に入った後でした。計数は 3 年の後期に卒論研究室に配属されて自分の机ができるのですが、修士まで含めて自分専用の PC を割り当てられることはなかったという時代でした。

 

卒論時代は、NetHack のほかは、大型計算機の端末で robots というゲームをやったりして息抜きばかりしていました。伊理先生や杉原先生はあまりゲームをされるイメージはありません。そもそも伊理先生はほとんど研究室に顔を出されることがなかったように思います。一方、甘利先生は研究室に来るとよくゲームをされていました。まあ甘利先生のゲームの話はまた別に書きます。

 

理研では数値計算関連の研究をしている人が多いこともあり、この本に書かれているようなことはまさに常識に近い感じでしたが、その後電総研に入っていろいろな人と話をすると、意外に知られていないということもありました。桁落ちによって数値微分や数値積分のステップ幅を小さくとりすぎないとか、数列は小さい方から足すとか、その辺はまあよく知られていると思いますが、1次方程式を解くのに逆行列をかけない方がよいというのはあまり知られていないのではないでしょうか。

 

昔は逆行列のコードとかを自分で一から書き起こしたりするのが当然だったのですが、今やそんな必要性もほとんどないので、このあたりの知識も不要な知識として忘れ去られていくのかもしれず、少し寂しい気もします。