2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧
計算数理工学は杉原厚吉先生だったと思いますが, P-NP 問題の説明で,この問題に挑むのは無謀というようなお話だったと思います.これは杉原先生に限らずかなり多くの人の考えでしょう. この本は近似アルゴリズムの本ですが,常に計算量と近似度合いが定量…
英語の本はいろいろありますが,たぶん同じ年代の研究者の中でも私は英語がかなり苦手な方です.大学に入ったときに教科書の和訳で同級生にディスられたというのは書いたと思いますが,そもそも子供のころから英語というのはかなり遠い存在でした.昔書いた…
高田純次さんは年を取ってやってはいけないこととして説教・昔話・自慢話を挙げていて、そういう話をしないとエロ話しかすることないということをおっしゃっています。このブログを振り返るとまさにその3大話ばかりという気もしますが、こういう話は若い人…
伊理研は自然言語処理で先日触れた喜多さんや助手の富岡さんがやられていましたが,いろいろNP困難なことが証明されまくっていた難しい世界という印象でした.その後,機械学習分野ではあまり言語という話とかかわりは薄かったように思います. 電総研にも自…
情報数理研究室は伝統的に多変量解析に関する研究が盛んで、修士まではほとんど触れてこなかった私は、大津さんや栗田さん、麻生さんなどが書かれた論文などを読んで断片的に知識を貯めていった感じでしたが、かなり後の方になってまともな教科書ということ…
駒場で最初に熱力学関係の科目は物理化学系の科目で大教室で講義を受けた記憶がかすかにあります。その後物理として、熱力学・統計力学をいつ受講したのかあまり覚えていませんが、原島先生の物理の教科書は学生の頃から定評があり、今見てもわかりやすく書…
共同研究でいろいろな実データを扱う話をする機会が増えましたが,最初に圧倒的に感じるのは,データの可視化が足りてないなということです.csv ファイルでデータをそろえたことに満足して,とりあえずニューラルネットでやるみたいなのを事前にやっている…
修士の時に(今はもうないですが)英進情報処理専門学校というところで講師のバイトをしていた話は書いたと思いますが、そのときに同じくバイトで来られていた先生から用語集を作るという企画に誘われて何項目かを分担するという話がありました。ただし、記…
もったいないことにこの本はほとんど開いた形跡がありません.修士の頃から電総研に入ったころは,連想記憶の容量の計算とかで,ガウス積分みたいなのがたくさん出てきて,それを数式評価するために積分の近似公式のようなものが必要だったというような経緯…
カーネル本を書くときに結構手本にしたのがこの本でした。この本は SVM をそれほど特別視しておらず、一般的な形でカーネルを導入しているのでカーネル法自体を理解するのによい本だと思います。 カーネル本は、私が当初思っていたよりもずっと高い評価をい…
強化学習という言葉は修士の頃から少しずつ耳にする言葉でしたが,最初は部分情報だけ与えられる半教師あり学習の親戚のようなものだと思っていました.その後 Sutton なんかの本を読んでやっとなんかすごい枠組みだと思うようになって,その基礎であるマル…
Deep blue がカスパロフに勝ったのが 1996 年なので、その少し前に書かれた本になります。チェスについては、割と伝統的な探索的なアプローチで計算機パワーにものを言わせて強くなったというイメージでした。実際最初のころはそうだったのでしょうが、最近…
徳山先生はちょうど私が卒論で伊理研にいたころ、数学科博士を卒業された後IBMにいたころに伊理研の輪講とかに時々顔を出されていました。まだ一介の卒論生だったので、徳山先生と直接お話しする機会はありませんでした。 徳山先生のようにもともと数学科で…
計数でも計測はともかく数理については回路というのは線形代数やらテンソルなんかの数学的なモデルの例題に過ぎないような扱いでした.計測がメインである回路学はたしか山崎先生がまだいらっしゃったときに受講した記憶がありますが,やはりこの分厚い教科…
この本を買ったのは 1991 年なので,電総研に入ってからそれほど経っていない時期です.統計的決定理論に特別興味をもっていたわけではないので,おそらく見計らいで置いて行かれた本を買ったものと思われます.少し思い出しましたが,当時は,欲しい本(特…
この本はよい文章を書くためのバイブル的な存在として知られていて、自分もそういうものに触れたいと思って買った本です。もちろん、論文なんかを書くために書かれた本でないことは重々承知で、いわゆる芸術性や味わいといったものをいかに出すかということ…
機械製作法通論という講義が存在していたことは覚えていますが,実際にその講義を受けたのか,受けたとしても中身がなんだったのか,それら一切を覚えていません.この単位の試験についても全く覚えていないので,未受験でスルーした可能性も高いです.その…
樺島君とゆかいな仲間たちの頃,平均場近似(変分ベイズ)の話が盛り上がっていました.その主な方向性はいわゆるナイーブ平均場近似をより高度にしていくというもので,TAP 理論などが有望視されていました.実際この本の中で樺島さんなんかはその方向で執…
機械学習の研究者の視点から見ると、この本の著者や内容はかなり際物に感じます。そもそもベイズもわざわざ「階層」とかつける必要があるのかどうかすら怪しい気がします。これは統計学の歴史に由来するものだと思います。 著者については、最も有名な統計学…
小野田さんのこの本は私のカーネル本の1年前に出版されました。そのしばらく前に洋書でもカーネル関係の本がたくさん出ていたこともあり、岩波からカーネル本を書く依頼が来た時にどういう独自性を出すかはかなり悩みました。 この本も含めて多くの本が SVM …
大学に入って大変だった一つは物理実験と化学実験でした.今日は物理実験の教科書を取り上げます.1978 というのはこの本の奥付にあるもっとも古い情報でそれでも5訂新版1刷の年で,私の手元にあるのは 1985年4月の8訂新版1刷です.全く記憶にはなかった…
情報処理学会の学会誌にEMアルゴリズムの幾何学というタイトルで書いた解説が私の最初の解説記事になるかと思います.確か栗田さんから依頼をいただいた記憶があります.その後,結構たくさん解説記事を書かせていただきました.この本の中では村田さん,池…
かつて電総研には立派な図書室があり,ちょっと場所を変えて集中したいというときには図書室にこもって計算したり,当時研究所が購読していた雑誌をぱらぱら眺めたりという時間を過ごしました.産総研になってほどなくして図書室機能はどんどんと縮小して,…
最適化については何冊か本を持っていますが、この本は pdf で見られるので紙の本を持っている必要はないかもしれません。SVMが流行っていたころは、凸な問題であることの優位性が異常に強調されていたイメージです。一方、今ではディープラーニングは非凸の…
電総研に入ったころにノンパラメトリック密度推定の話に興味を持ちましたが、その頃はあまり日本語の教科書で詳しく書いてある本がありませんでした(たぶんよく知らなかっただけだと思いますが)。そんな中、翻訳ですがばっちりとそれについて詳しく書いて…
現在においてこの本を読み返す価値はあまりありません。しかし、安西先生のその後の経歴と、岩波からこの分厚い本が出版されたという事実はいろいろなことを考えさせられます。 安西先生とは直接面識があるわけではなく、どんな研究をやられた方なのかもよく…
ibis で kaggle をやられている方の招待講演だかチュートリアルがあったのを聞いて買った本です。子供の頃は負けず嫌いで、ゲームとかトランプとかでいとこのお兄ちゃんたちと遊んで負けて泣いていた記憶があります。ただ、長い年月の間に負け続けている間に…
例によってブースティングやバギングなどアンサンブル学習について勉強したのもほかの研究者に比べるとかなり遅い方でした。確か樺島君とゆかいな仲間たちのミーティングで Adaboost の仕組みを聞いた気がします。私のように情報の疎い人間でもできる人たち…
以前に取り上げたハーディらの不等式の本以外にこの本も不等式の本です.ただ,結局のところ自分でこれらの本を活用することはあまりありませんでした.不等式というのは山のようにあって,例えばクラメールラオ不等式なんかはこういう不等式集にはあまり載…
Edelsbrunner は計算幾何学の研究者なので、この本のタイトルはずっと computational geometry だと思っていました(そのタイトルの別著者本は別にあります)。計算幾何学もふつうに漢字変換すると計算機科学になってしまうし耳で聞くとどっちか区別がつかな…