toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

大槻義彦(監修)「新数学公式集 I・II」丸善 1991

もったいないことにこの本はほとんど開いた形跡がありません.修士の頃から電総研に入ったころは,連想記憶の容量の計算とかで,ガウス積分みたいなのがたくさん出てきて,それを数式評価するために積分の近似公式のようなものが必要だったというような経緯でこういう本を買ったような記憶があります.

 

この本はもともとロシア語で書かれたものを室谷先生という方が翻訳されたもので,膨大な公式がいろいろ分類されて載っていますが,なかなか自分の求める公式を見つけるのは難しいですし,かといって通読するような本ではないので,私にはうまく使いこなせなかったという感じでしょうか.そもそも積分の近似であればそれはそれでいろいろなテクニックがあるので,そちらをちゃんと身に着けたうえで計算する方が正しいやり方だと思います.

 

公式で載っている多くのものは現在では数式処理ソフトでだいたい対応できます.以前も書いたように mathematica, maple, maxima なんかを使って計算の確認とかをしていました.甘利先生は基本的にはそういうものには頼らずご自身で手計算されていて,やはりそういうところにこだわりがあるのだなあと思っていたのですが,最近書かれたものか何かで,数式処理ソフトに言及されていて,別に必ずしも敵対視されていたのではないことを知りました.ただ,そういうものに頼らず自分自身で計算法をみつけたときの快感というのは私も大いに共感できます.