toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

八木康史,斎藤英雄(編)「コンピュータビジョン最先端ガイド1~6」アドコムメディア 2008-2013

これと同じような本の1章を栗田さんに誘っていただいて書いたことがあります.というわけで,ちょっと縁の薄いコンピュータビジョンについて勉強してみるかと思ってシリーズ丸ごと買って,本棚の肥やしになっていました. CVIM や PRMU は IBISML とも共催で…

B.P.Carlin, T.A.Louis "Bayes and Empirical Bayes Methods for Data Analysis (Second Edition)", Chapman & Hall 2000

データ分析において気持ち悪いことの一つは,モデルが正しいと仮定したときの結論であるということで,ベイズでの推論もその範囲から出るわけではありません.逆に言うと,ベイズはモデルの仮定がいっぱい入っていたり,事前分布が決められないといった理由…

前原昭二「数理論理学序説」共立出版 1966

計算数理工学とかで論理学の教科書として買ったものです.どうしてこの見た目マニアックな本を選んだのか記憶にありませんが,学生の頃休みで時間があれば散歩に行っていた神保町界隈で物色して,論理学における完全性定理と不完全性定理が載っているコンパ…

新井 朝雄「物理現象の数学的諸原理: 現代数理物理学入門」 共立出版 2003

以前に書いた特殊相対論と一般相対論の関係がよくわからなかったという話は、この本を見たら一般相対論の接空間がミンコフスキー空間になると書いてあったので、すぐに腑に落ちました。一言書いてくれればすぐわかるのにどうして他の本にはあまり書いてない…

須山敦志「Juliaで作って学ぶベイズ統計学」講談社 2021

いつの時代もRやPythonは遅いという話があって、がちな人たちは C とかで MCMC を書くということでしたが、Julia は速いということで最近は Julia 使いの人も増えていますね。まあ文法もこれらの言語と大差ないようですし、もう少し若ければしっかり Julia …

O. Chappelle, B. Schoelkopf, A. Zien (eds.) "Semi-Supervised Learning" MIT Press 2006

この本は多くのカーネル洋書と同じく分厚くてハードカバーなつくりをしています.半教師あり学習だけでこれだけの本を作るというのもすごい話だなと思います.まだカーネル法全盛の時期ですし,バイオインフォマティクスでもたくさんの研究がされていたとい…

J.ハーツ,A.クロー,R.G.パルマー「ニューラルコンピュータ 統計物理学からのアプローチ」アジソン ウェスレイ トッパン 1994

この本の内容は私の修論の話とかなりオーバーラップしています。何度も書いているように、統計物理の手法に圧倒されて、素朴な解析がなんとなく無力に感じていた時期です。それでも何かしらはやらないといけないと思って忘却入れた話とか、時間を考えたりと…

都甲潔,松本元(編著)「自己組織化 生物に見る複雑多様性と情報処理」朝倉書店 1996

松本元さんは私が電総研に入った時すでに超有名人でした。イカの巨大軸索の研究をするためのヤリイカの飼育に多くの年月を要したわけですが、それを長い目で許容した研究所の経営陣のおおらかさの象徴として語られていました。確かに今の産総研ではこのよう…

大谷俊介「速習 物理数学の応用技法」プレアデス出版 2012

最近のスマホゲームはデイリーミッションといって、毎日ログインしてミッションをクリアすることでいろいろ恩恵があります。このブログが最近続けられているのもゲームでデイリーできるのに、より研究に近いこちらが続かないのは癪だという気持ちと、デイリ…

難波 誠「幾何学12章」日本評論社 2000

産総研との連携で梅山さんから受け継いで大阪大学数学科に年に1回集中講義したという話は以前にも書きました.肩書は教授でしたが,あくまでこれはお客さんとしての肩書で,数学ですごい仕事をしたから拝命されたというたぐいのものではありません. すべて…

Robert Monarch "Human-in-the-Loop Machine Learning: Active learning and annotation for human-centered" Manning 2021

最近は企業との共同研究をやらせていただくことも増えてきました。とはいえ、私が関わるとたいてい実用性はさておき、面白そうなことにどんどん走ってしまうので、企業の利益に貢献している気は全くしません。ただし、若くて優秀な技術者・研究者の人がどん…

R. Herbrich "Learning Kernel Classifiers: Theory and Algorithms", MIT Press 2001

カーネルの本は書いていますが、ほとんどの世界の有名カーネル研究者とは面識がありません。英語ができないうえに人見知りなので全く人脈が増えません。カーネル法は主に津田さんに引き込まれて詳しくなっていった感じですが、津田さん、それから杉山さんと…

青木繁伸「Rによる統計解析」オーム社 2009

Python をだいぶ使うようにはなりましたが、なんだかんだ R が母国語という感じはします。前にも書いたように、もともと S を使っていて、R と基本構造はほとんど違わないのですが、今ほどネット情報が立地ではなかったので、この青木先生の本はよく使った気…

Cyrille Rossant "Learning IPython for Interactive Computing and Data Visualization" Packt 2013

本屋に行くとよく iPhone の使い方みたいな本がたくさん並んでいて、どういう人が買うのだろうと思いますが、売っているということはそれなりの需要があるのでしょうね。今日取り上げた本もまさにそのような類の本で、python そもそも全然わからなかったとき…

L.G.Alexander 「ロングマン 速解 英語正誤辞典」ピアソンエデュケーション 2001

これまであまり取り上げてきませんでしたが,書棚には辞書の類もたくさんあります.その中でも今日は英語の正誤辞典です.結構子供のころから辞書を読むのは好きでしたが,大人になってくるとなぜだかわかりませんが辞書を読む時間はちょっと惜しくなってき…

A. Dembo, O. Zeitouni "Large Deviations Techniques and Applications" Jones and Bartlett Publishers 1993

最近毎日更新するのがしんどくなってきました.だいたい選ぶべき本は終わってしまったし,残りも少なくなって2年後産総研をやめるまでにはすべて終えられそうな見込みが出てきたということもあります.ただし,一度崩れるとだめだめになりそうなので,がん…

法学書院編集部「国家I種理工系問題集」法学書院 1989

現在リアルタイムでは入試のシーズンです.ということで以前にも一度取り上げましたが,国家公務員試験の問題集で,今回のは専門試験の過去問です.そもそもどのような試験が行われていたのか忘れていましたが,1次で一般と専門の選択式試験があり,2次で…

森 寿, 渡辺 雅彦, 宮川 剛, 真鍋 俊也, 岡野 栄之(編)「脳神経科学イラストレイテッド」羊土社 2000

この本も現在は改訂3版が出ていて内容も更新されていると思いますが,生物系の学問というのは実験してもはっきりしたことをいうのが難しく,地道に少しずつ開拓していく分野なのだと思います. 脳神経科学と一口に行ってもすごく幅広くて,私も少しはかかわ…

パノフスキー・フィリップス 「新版 電磁気学 上下」 吉岡書店 1967

電磁気学にしろ量子力学にしろ、なんでこんなにたくさん教科書を持っているのか全く記憶がありません(政治家みたいな発言)。しかもこの教科書には少しだけですが書き込んだ後もあるので多少は勉強したのだと思いますが、読んだ記憶すら全くありません。人…

深谷賢治「解析力学と微分形式」岩波書店 2004

一応数学っぽい仕事はしていますが,どれだけ経ってもわかった気にならないものがあります.それが微分形式で,この本では数学的な厳密性は保ったままわかりやすく微分形式を説明しています.なので概念として理解はしているつもりですが,自分の論文でとて…

J.F.クロー「基礎集団遺伝学」培風館 1989

たくさん本があると,すでに持っていることを忘れてまた買ってしまうということがときどきあります.誰かに貸してやっぱり手元にも欲しい時に意図的に買うこともありますが,そういう本は稀です.この本もなぜか2冊あり,しかも結局ほとんど読んでいないとい…

D.A. ハーヴィル「統計のための行列代数 上下」シュプリンガージャパン 2007

今はなきシュプリンガージャパンから出ていて今は丸善から発行されている本です.日本だと線形代数という方が普通でしょうが,行列代数という呼び方にして対象を行列に絞っているところが少し変わっているところでしょうか.電総研に入った直後であればこれ…

C. Robert, G. Casella "Monte Carlo Statistical Methods" Springer 2004

以前も取り上げた Christian Robert の別の著書です。フランスで会ったときはちょっといいお兄ちゃんっていう感じだった人がこんなにバリバリ本を書くとは思いませんでした。MCMC についての概要を勉強した後、importance sampling とかより基本的なところも…

茨木 俊秀,福島 雅夫「最適化の手法」共立出版 1993

最適化の本はたくさん持っていますが、この本は電総研に入ってから割と早くに買った本で、わかりやすくて長年お世話になっています。最適化業界の中でも有名な先生お二人が書かれているので内容にも信頼ができます。 この本を買った頃はGAとかにも凝っていた…

竹内 啓「確率分布の近似」教育出版 1975

過去の記憶を掘り起こしていくのは、常に断片的で靄がかかったようにどうしても曖昧な文章になってしまいます。一方で過去の落書き帳や研究落書き帳を読み返すと、記憶が新しいのでライブな感じで本当は記憶が新しいうちに残しておくのがベストだなあとは思…

T. Segaran 「集合知プログラミング」 オライリージャパン 2008

集合知という言葉の意味もろくに知らず、というか逆に知らないからこそ買った本かもしれません。なにかこの手の業界用語は全然詳しくないので、こういう言葉を使われると話についていけません。私が出会った人たちの中では橋田さんとかはこういうタイプだっ…

S.K. Thompson "Sampling" John Wiley & Sons 1992

この本は 1993 年に買っていますが,たぶん見計らいで情報数理に置いてあったのをよく考えもせずなんとなく買ったような記憶があります.著者が Thompson で書名が sampling なので,bandit とかで知っている Thompson sampling を連想したのですが,あちら…

蔵本 由紀, 山田 道夫, 篠本 滋, 川崎 恭治, 甲斐 昌一「パターン形成」朝倉書店 1991

甘利研の助手は私が修士にいた時は倉田さんでした.倉田さんから,シマウマの縞模様なんかができる仕組みが反応拡散方程式とかで説明できるということを聞いてすごく面白いと思った記憶があります. この本はそのような「パターン」がどのように生み出される…

伊藤 正男 編 , 安西 祐一郎, 川人 光男, 市川 伸一, 中島 秀之, 橋田 浩一(編)「脳と心のモデル」岩波書店 1994

脳科学とAIが真っ向対立していた時代に出た本です。本の内容もAI側とニューロ側にきっぱりと分かれています。編者の先生方もくっきりと分かれていて、その中でもAI系の中島さん、橋田さんというのが電総研関係なのが微妙な感じです。 麻生さんとこれらの編者…

F.R. Hampel, E.M. Ronchetti, P.J. Rousseeuw, W.A. Stahel "Robust Statistics: The Approach Based on Influence Functions" Wiley 1986

以前にとりあげた Huber の本が 1981 年なのでそれから 5 年後に出た本です。著者が多いのもあり、より中身が洗練されている感じはします。ロバストも昔からある概念だと思いますが、計算機が身近になってどんどん広がっていった時期という感じでしょうか。 …