脳科学とAIが真っ向対立していた時代に出た本です。本の内容もAI側とニューロ側にきっぱりと分かれています。編者の先生方もくっきりと分かれていて、その中でもAI系の中島さん、橋田さんというのが電総研関係なのが微妙な感じです。
麻生さんとこれらの編者の方々は親しいと思うので、当時からお互いに対するある程度の理解はあったでしょうが、それがどういう形で統合されていくかということは全く見えていなかったと思います。まさかニューラルネットがここまでやれるようになるとは伊藤先生、川人先生すら予想できなかったのではないでしょうか。
中島さん、橋田さんは電総研の情報科学部長を歴任されたので、まさに私の上司という存在でした。ただし上に書いたように研究の方向性はかなり違いました。橋田さんは自然言語研究室だったのでもともと情報科学部ではなくて知能情報部でもともと交流があまりありませんでした。確か橋田さんが在外研究から帰られたときに講演を聞いたのが最初だったと思います。その頃はかなり確率文法のような話が一応入ってきていて確率情報処理がAIにかなり入り込んでいる感じではありました。ニューロは全然だったと思いますが。
電総研の最後は橋田部長でしたが、確か情報科学部で泊りがけでどこかに最後の飲み会に行った記憶がかすかにあります。塩原だったでしょうか。ただ、その頃はそうした泊りがけの職場イベントが時々あったので記憶が混じっているかもしれません。