toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

A.V.エイホ、J.E.ホップクロフト、J.D.ウルマン「アルゴリズムの設計と解析 I・II」サイエンス社 1972

計数の計算数理工学では、チューリングマシンなどの計算原理や計算量理論なんかの概要を勉強しました。この本はそのときに参考にした本です。あと、ゲーデルの完全性・不完全性定理なんかもその枠でやっていたような記憶があります。

 

もともとプログラミングに興味をもったのはソートだったり最短経路だったり、アルゴリズムを工夫して小さい計算量で解けるようにするというパズル的な面白さでした。昔 bit という雑誌に連載されていたナノピコ教室というのがありましたが、それでも短い行数でプログラムを書くとかとても面白かった記憶があります。

 

当時はまだアルゴリズムを自分で実装するということが基本で、ライブラリを使うということはほとんどありませんでした。まあネットワークも貧弱な時代でメールとかネットニュースが主な情報収集手段という環境だったということもあります。でも、自分で実装するのはとても楽しい体験でした。今の時代は、なんでもライブラリを使えますし、それでより高級なことはできるようになったと思いますが、その分プログラミング自体の過程を楽しむとかが難しくなっていると思います。今はプログラミングコンテストとかがあるから、そちらでスキルを磨いたり競ったりするという文化に変わったということでしょうか。

 

電総研に入って、計算機の環境が充実してきて、いろいろなアルゴリズムを実装したり、アルゴリズムではないですが簡易言語のインタープリタを作ったりして遊んでいました。当時は、Sun のワークステーションが数台研究室にあり、それを各自の机にある PC (主に PC98 や互換機)からアクセスするという形がメインでした。さらに、電総研の共用にある大きな Sun のワークステーションがサーバーとしてあって、情報系の若手がポストマスタとして維持管理していました。私も車谷 浩一さんや河井 良浩さんといっしょにポストマスタをやった思い出があります。昔は電総研情報系の人たちはつながりが強くて、何かといえば計算機室のミーティングスペースで飲み会をしていました。