toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

W.R. Gilks, S. Richardson, David Spiegelhalter (eds.), "Markov Chain Monte Carlo in Practice", Chapman & Hall 1995

マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)については以前にフランスで開かれた Mixture workshop でやたら流行っていたというのを書いたと思いますが、その後ちゃんと勉強したのはこの本でした。

 

いろいろな人が書いていますが、主に読んだのは最初の方の MCMC の解説の部分で、Metropolis-Hastings とか詳細つり合いとかを初めて知りました。

 

修士の頃に Geman & Geman のシミュレーテッドアニーリングの論文が流行していて、本来そこでちゃんと勉強すべきだったのですが、そもそも MCMC と聞いた時に全く結びついていませんでした。

 

その後、統数研の伊庭さんとか、永田さん(渡辺澄夫研→岡田研→産総研→NIMS)とかと交流するうちにそれまで GA とかよくわからないものに比べてベースがしっかりしているなと思って、MCMC をメインで使うようになりました。

 

ただ、機械学習業界ではまだそのころ計算機環境なんかもそれほどそろっておらず、ディープのように1週間計算機回すのが当たり前みていな状況でもなかったので、NIPS の査読とかで MCMC の論文に当たると、ほかの査読者の人たちはことごとく否定的で、理不尽にリジェクトになっているというのをよく目にしました。

 

なお、伊庭さんとは RWC 以来のつきあいで、いろいろとエピソードもあるので時折書いていくと思います。永田さんは、主にスパースモデリングの時代から本格的におつきあいがあって、産総研にも就職してくれました。産総研にいたころにはお台場勤務にも関わらず企業共同研究とかもごいっしょさせていただいて楽しかったのですが、つくばに NIMS に移られてからはご多忙であまり相手をしてもらえなくなったのが少し残念です。