toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

V.P.Godambe (ed.) "Estimating Functions", Oxford University Press 2002

この本のきっかけとなったのが,甘利-金谷論争と呼ばれる問題です.

 

問題自体は単純で y = a x のような線形関係でどの推定量がベストなのかというものです.通常は y が観測値でノイズがのるという設定ですが,x にもノイズがのるとすると,セミパラメトリック推定という話となり,アンシラリパラメータの数が増えることによって,なかなか難しい問題となります.

 

この問題に対して,甘利先生と川鍋さんが推定関数の理論と関数空間の情報幾何の話を組み合わせた話を作り上げられました.そのころまだ私はなんとなく情報幾何をかじりはじめたばかりで,ほとんど話にはついていけませんでしたが,幾何学的なイメージの美しさを感じることはできました.金谷先生とは何度かお話はさせていただくことはありましたが,ちょっと分野が違うのでがっつりのからみはありませんでした.

 

川鍋さんは私の2個下の後輩で,バドミントンのサークル(スポ愛(東大スポーツ愛好会)の1部門)で仲良くさせてもらいました.私はバドミントンはそんなに上達せず,主に駒場での練習が終わった後に渋谷の街でアフターを楽しむのがメインでした.川鍋さんは比較的寡黙ながらも,サークルの方針とかにちゃんともの申す芯の通った感じでした.スポ愛バドパートから計数へは1つ下の大庭昭彦さんと2つ下の川鍋さんが進学してくれました.大庭さんは豪快で酒もよく飲む感じで仲良くしてもらいました.

 

川鍋さんは,研究分野も比較的近かったので,いろいろなところでお会いすることも多く,ドイツで Kalus Muller さんのところ(?)で長い間働かれていましたが,国際学会などにご家族で来られていたりしていました.日本に戻ってポストを見つけられるかどうか心配していましたが,幸い ATR に安定的にポジションが得られているようで安心しました.お忙しいようでリアルではずっとお会いできていないのが残念です.

 

スポ愛の知り合いはみなさん社会で活躍されているようですが,いかんせん引きこもりの私は付き合いがほとんど途切れてしまっているのが残念なところです.