toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

ドナルド・クヌース「クヌース先生のドキュメント纂法」共立出版 1989

私は作文というものにあまりよい思い出はありません。

子供のころから今に至るまで作文で賞をもらったことは一度もありません。

本を読むのは好きでしたが、自分で文章を書くのはものすごく苦手で、それは基本的に今でも変わりません。

さすがにこの歳になると、原稿を依頼されることもたまにあるのですが、いつも七転八倒して文章をひねり出しています。

今では名文を書くのはあきらめて、とにかく情報を正確に伝えるようにシンプルさだけを心掛けるようにしています。(カーネル本はその点においてだけはいろいろな方に認めていただいているかなとは思います)

 

知識も自信もないので、論文や英語に関する本はたくさん集めており、クヌースのこの本は修士から電総研に入る前後に読んだ本です。 

研究者になって直面するのは、研究の中身よりも作文をすることの大変さです。

クヌースは本来の研究のほかに(というかその道具として)TeX を作り、いまだに我々はその恩恵を受けています。この本を読んだ頃は TeX (および LaTeX)も覚えつつ、未熟な英語もなんとかしつつ、研究論文というのを書かなければならないというように、何もかもがスタート地点でした。

 

この本は、ある意味それらすべてについて参考になることを教えてくれるありがたい本でした。

今となってみると、少しクヌースの考え方の偏りみたいなものも感じますが、外部講師の講義録などもついていて、研究作文や英語に関していろいろなことを学べる本でした。