toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

Richard O.Duda, Peter E.Hart, David G. Stork "パターン識別" 第2版 新技術コミュニケーションズ 2001

この本の第1版は 1973 年の原著版を見た記憶がありますが、1990年代の機械学習の話とかも入った最新版です。

 

まず、この本の第3著者である David Stork 先生とはちょっとだけかかわりがあります。まだ藤木さんが産総研にいたころ、村田さん・日野さんと早稲田の学生さんを指導して、CAIP というパターン認識系の国際会議にレンズ較正の話を出したときに Stork 先生が興味をもってくださって一緒に国際会議論文を書きました。ただし、学生さんを介してコンタクトしていたら、後ろに藤木さんやら日野さんやらたくさんくっついてきたのがちょっと謎だったらしく問題になりかけました。まだ赤穂会という名前がつくより前の 2009 年のことです。CAIP はドイツのミュンスターという場所で開かれましたが、村田さん・藤木さん・日野さん・学生さんとともにミュンスターから ECMLPKDD の開かれていたスロベニアのブレッドまで鉄道旅行したのが懐かしい思い出でした。Stork 先生はフェルメールのような絵画の解析とかをされていて、その中でレンズの較正とかが関係していました。

 

電総研の情報数理研究室は、画像や音声の研究をしていた知能情報部とは異なる情報科学部というところに属していて、そのほかには中島さんとか仁木さんとかがいた認知科学研究室と、山根さんや菅生さんがいた脳機能研究室がありました。大津さん自身は画像系の研究もされていて、後に知能情報部長になられましたが、私はどちらかというと学習理論系の話の方がなんとなく面白い気がして画像はあまりやりませんでした。最初の頃少しだけ大津さんの高次自己相関特徴の不変量の話をやったくらいでしょうか。

 

たまに電子情報通信学会の PRMU 研究会や画像系の研究会や会議に出ると少し違和感を感じました。パターン認識では認識率なんかがやたらと重要視されて、中身の面白さに感動してくれる人がとても少ないように思います。ディープラーニングが出てきてショックを受けたというのも、その認識率の高さに対してであって、別にその中身がすごいとかではなかったような気がします。まあ、オリンピックの記録のように、数字を争うのが楽しいという方々がいるというのも普通なんでしょう。私個人はあまりそういう消耗する戦いは好みませんが。