この本が出たころはまだ学部の4年生で、修士で甘利研に進むことは決まっていたものの予備知識はほとんどありませんでした。そんな状況でも塚原先生が日航機123便の事故で亡くなられたという事実は大きなニュースとして伝わっていました。とはいえ、脳科学の大先生が亡くなられたというくらいの認識しかありませんでした。
この本は塚原先生が50歳を迎えて研究の一区切りの段階で書かれた一般向けの解説で、たぶん脳の可塑性に関する本としては甘利先生の本かこの本が最初だと思います。
自分なんかは研究の大目標とか特にあるわけではないので、別にいつ研究をやめようと、いつ自分の命が尽きようと、思い残すことはほとんどないですが、大目標に向けてひたむきに研究をされている方が亡くなってしまうのは本当に損失だと思います。