toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

R.ヘクトニールセン「ニューロコンピューティング」トッパン 1992

第2次ニューロブームの時に書かれたこの本は,懐古的な興味以外ではほとんど読む価値はありません.ヘクロニールセンについてはあまり詳しくは知りませんが,甘利先生とは親しい間柄だったようで(とはいえ甘利先生と親しい人は無数にいますが),甘利研にヘクトニールセンが作ったベンチャー発の?ニューラルハードウェアみたいなのが研究室に置いてありました.ただ,私のいたときには使われているのは見ませんでした.

 

この本ではそうしたハードウェアやソフトウェアの話も出てきますが,今や python ベースのフレームワークGPU 全盛の時代なので,完全に過去の遺物と化しています.

 

改めて開いて目を引いたのは,最後の章に「ニューロコンピューティングプロジェクト:実業界で成功する新しい能力の開発」ということで,一般的なビジネス指南書みたいな内容が含まれていたことです.ブームのさなかに書かれた本ならではという内容です.私自身はビジネスには全く興味がないので,読むことはないと思います.

 

自分がビジネスに興味がない,あるいは向いてないと思うようになったきっかけは,たぶん親の影響があると思っています.私の父は,金属加工関連のインテリアやエクステリア製品を作る小さな会社をいくつか経て,最後に自分自身の小さな会社を立ち上げました.こういう環境で,世の中の景気やブームのようなものの浮き沈みで苦労しているのを子供ながらに見ていて,ビジネスの部分を切り離して仕事の中身だけに集中できるような職につきたいと思うようになった気がします.そういう意味では,今就いている職業はまさに臨んだ仕事ができているかなとは思います.ただし,産総研の上層部は思いっきりビジネスサイドにマインドがあるのでそことはあまり近づかないようにしています.