toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

中野馨「アソシアトロン」 昭晃堂 1979

中野先生は計数の中でも計測分野だったので、数理の私は直接の接点はあまりありません。講義も受けた記憶はありません。

 

ただ、修士の時は連想記憶の研究をしていたので、アソシアトロンという名前は知っていましたが、相関ベースの連想記憶はほとんど甘利先生の書かれたものから情報を得ていたので、この本もほとんど目を通したことはありません。

 

アソシアトロン自身は非常にシンプルなものですが、計測の先生らしく電気回路的な説明とか、より知的なものを実現するためのいろいろな工夫が本に書かれています。あと、南雲研の系統の一つとして、脳のモデルというのは多分に意識されているように思います。ただし、現代的にはそれらほとんどが忘れ去られているように思います。連想記憶自身は今の深層学習ブームの中では隠れた存在ですが、理論的にも扱いやすく、ダイナミクスでアトラクタに引き込むというような機能は通常のディープラーニングにはない機能なのでいろいろ面白い話はできると思います。

 

中野先生とは甘利先生つながりで話を聞く程度で、囲碁は甘利先生より強いらしい(?)とかで、あまり人となりについてはよく知りません。ただし、中野研出身だと、下平さんとか池田思朗さんとか統計・機械学習・データ解析分野で活躍されている方も多数輩出されています。個人的には池田さんとはスパースモデリングをはじめ、樺島&フレンズやそのほかいろいろなところでお世話になりました。

 

一方、下平さんは年代は近いのですが、実はちゃんと個人的にお話したことは一度もありません。計数にいたころから、3年生のときにATRかどこかに工場実習(今のインターン的なもので必須でした)に行って、短期間ですばらしい業績をあげられたとか話題になっていました。ということで、すごく偉い先生になられてしまったので、ちょっとお知り合いになるきっかけを失ってしまった感じです。

 

私の工場実習の思い出は、そのころまだ関東から関西くらいまでしか行ったことがなかったので、北海道か九州か行ってみたいというのがあって、長崎の三菱電機に行きました。ちょうどお盆の時期をまたいでいたので、雲仙とか島原とか周辺観光もしました(たしかお盆で宿が取れなくて砂浜のキャンプ場で野宿しました)。また、向こうの人たちはやたらと酒が強いので、職場の歓迎会で酔いつぶれて路面電車の中で吐いてしまって、同乗していた女性の方に迷惑かけたりとか恥ずかしい思い出ばかりです。でもとてもいい思い出で、また長崎に行きたいのですがなかなか機会が得られません。