toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

ジョージ・ジョンソン「記憶のメカニズム ニューロン・AI・哲学」河出書房新社 1995

ディープラーニングが出てきてニューラルネットに対して懐疑的な人たちの態度も大きく変化しました.理論をこねくりまわすよりも,実際に動くものの社会的な影響というのは大きいものです.一方,記憶というのはいまだによくわかっていないようです.chatGPT を見ているともはや記憶なんて超越しているようにも思いますが,汎用人工知能はともかく,人間個人個人を特徴づけているのはその人の経験した記憶だと思うので,その仕組みを探求することには意味があると思います.この本は第2次ニューロブームの終わった後に出た本なので,今となっては古い記述が多いかなという印象ですが,哲学に関する記述は興味深いです.AIや脳の人は哲学者の引用をするのが好きな人が多いですが,逆にこの本ではかなり批判的に描かれています.

 

さて,このブログは私個人の記憶をたどる旅と言えなくもないですが,過去を思い出そうとしても何かきっかけがないと思い出すことは難しいです.最近思い出したいと思っているのは,自分がいろいろ失敗して,それに対してどういう感情を抱いたかというような記憶です.感情が動いた記憶は割と残っているように思うのですが,それでも結構忘れています.何か失敗やトラブルに巻き込まれたときに,私は割と動揺しやすくて,ほかのことが手につかないくらいになる一方,対処能力が低いので,ただ感情に振り回されてきたという自覚があります.

 

よくあるのがものを失くしたというイベントです.中学3年の時,名札だか校章だったかをなくしてしまったことがありました.親にも言えず,かといって何かするわけでもなく,毎日学校に行くと生活指導の先生に何か言われてドギマギしていた感情だけなんとなく覚えています.対処能力が足りないので,いやな感情も必要以上に長引くという経験をたくさんしてきたように思います.ただ,こういうイベントこそが自分らしい経験でもあると思うので,思いついたらできるだけここにメモしていこうと思います.