toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

守谷栄一「詳解演習 数理統計」日本理工出版社 1974

何度も書いていますが,統計学にはほとんど興味がなかったので,学生時代は教科書もかなり適当に選んだと思います.さすがにこの本に書いてあることの大部分は知っている内容なので,処分本リストに入れようと思います.と,このように書きましたが実は処分する本と残しておく本の区分けを全然していないことに最近気づきました.とはいえ,ものを捨てるのが難しい自分にとっては処分するに値すると判断する本が極めて少ないのがちょっと悩みの種です.

 

この本の最後の方に,私が詳しくない話として管理図法と分散分析の話が少しだけ出てきます.基本的に検定とかはほとんど研究対象になかったのですが,応用分野の方と議論するのに分散分析ぐらいは知っておかないとということで,この本ではないですが少しは勉強しました.この本では,ラテン方格にも書かれていますが実質何の説明もありません.管理図法については,異常検知などの観点では最近企業共同研究でやっていることに関連はしますが,直接管理図法のような技術が出てくる可能性は低いと思います.

 

ところで,古い本だと奥付に出版社の検印なんかが押されていることがあり,昔は1冊1冊丁寧に作られていたのだと感じます.ある時点を過ぎると「公印省略」と書かれていて,さらにそれを過ぎるとそれすら書かれていません.この本では,守谷という印鑑が押されているので,これはもしかして守谷先生自身の印鑑なのでしょうか.ちなみに世代が違い過ぎてさすがに守谷先生とは全くつながりはありません.この本でさらに驚くべきことは守谷先生のご自宅住所と思われる情報まで載っていることで,ためしに street view で見てみたところ,表札にそれと思しきものが見つかってしまいました.個人情報という概念の重要性が非常に乏しかった時代だということがわかります.