toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

豊田秀樹「共分散構造分析 入門編」 朝倉書店 1998

豊田先生とは面識はありませんが、ベイジアンネットワークの話をすると、共分散構造分析(SEM)との関係について聞かれることも多いのでとりあえず買ってみたという本です。ぱらぱらと見ましたが、自分では直接使うことはあまりないかなという感じですね。理論的な部分でも自分の興味と離れていますし、実応用においてもこの枠組みに縛ってやるというよりは、もっといろいろな可能性から探っていくと思います。

 

研究者は手法を開発したり、手法の性能を理論解析したりして論文を書くわけですが、手法を実応用する際に、自分の開発した手法にこだわってしまうと本来の目的には合わないということが往々にしてあります。なので、私は基本的には自分がそれほど得意ではない手法も含めて問題に適用することを考えます。一方、研究者によっては自分が開発したなんとかという手法を押し売りしている人もいます。

 

もちろん自分の一番得意な方法であればほかの方法に比べて多くを知っているわけですから、それをやる意味はある程度はあると思いますが、私自身は自分の手法にそこまで自信があるわけでもなく、また、上に書いたように問題に即して手法は考えるべきだと思っています。

 

これは、例えば産総研が研究者の知財を売り出していくやり方には合っていません。基本的には何か自分の手持ちの技術を宣伝するというストーリーで企業共同研究なんかを進めることが多いと思います。まあ今更自分のやり方を変えることはないと思うので、共分散構造分析についても一応中身は知っておいて、これが合う問題に出会ったらそれを適用することになると思います。