toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

小山 信也「素数からゼータへ、そしてカオスへ」日本評論社 2010

数学に触れていればリーマン予想というのがどうしても気になります。とはいえ、自分の研究とはほぼ関係なく、レベルも高そうなのであくまで好奇心でとりあえず知っておくということです。問題自体はそれほど難しくないのですが、それに対して数学者がどのようにアプローチしているのかというのが知りたいポイントです。

 

この本はわりとちゃんと数学的な解説をしながらあくまで一般向けに書かれている本です。カオスというキーワードが出てくるところが自分にとっては意外なポイントです。さらに読んでいくとランダム行列の固有値という話も出てきます。ただし、機械学習でよく出てくるやつではないようですが、根っこのところは関係しているようです。

 

最初に自分の研究とは関係ないと書きましたが、ゼータ関数は渡辺さんの理論でも出てくる話ですし、ランダム行列ももちろん機械学習の理論解析では重要な理論です。私のように普通に研究していると、こういう最先端の数学を自分の研究に取り込もうという発想がそもそも出てこないと思います。

 

わりと好奇心にまかせていろいろなことを研究しているつもりでしたが、それを自分の研究に反映させるのはまだまだ修行が足りないということだと思います。