教養から専門課程に進むと，この本で扱っている偏微分方程式とかフーリエ解析とかに出会うことになります．一見すると，偏微分方程式は教養生でも知っている普通の微分方程式がただ多変数に拡張しただけのように見えますし，フーリエ変換とかも高校からなんとなく知っている概念なので知った気でいました．ところが，実際にはそうした甘い考えでちゃんと勉強していないとひどいめにあいます．
ものごとを理解するのにアナロジーで理解することはよくあって，似たものは同じグループにくくっておしまいとしがちですが，実はそこには決定的な違いがあるということがよくあります．研究所なんかでも，ただちょっと似ているというだけで同じくくりにされたりして現場からするとわけがわからないということもよくあります．組織づくりでは全く同じ研究をしていても同じにしない方がよい場合もあるという別のファクターもありますがそれはちょっと話題が外れますね．
ともかく，実際に自分でフーリエ解析したり偏微分方程式を解いたりすることが必要な研究をほとんどしたことがなかったので，この辺の理解はかなり怪しいままで来た気がします．当時はフーリエ変換とラプラス変換両方出てきてなぜかもよくわからないままでした．この本を読んでも使い分けの理由とかはほとんど出てこないのでしかたないことだとは思います．
