toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

R. ローゼン「生物学におけるダイナミカルシステムの理論」産業図書 1974

ここまでなんとか毎日続けられています.

本とあまり関係のない内容も多いですが,本をきっかけにして私の中の古い記憶を呼び覚ますというのは結構よい企画だったかもしれません.

オフィスには無数の本があるので産総研をやめるまでに終わるかどうかといったところでしょうか.

数が増えてくると,目次というか一覧表が欲しくなりますし,どの時代の思い出を書いたか検索できるように時代で並べ替えたリストとかも欲しくなりました.

あと,やはり昔の記憶の方があやふやなので,基本的には古いものから優先して書いていった方がいい気がしてきました.

 

さて,この Robert Rosen の古典的な名著は,倉田さんがパターン形成の研究をされていたので,その関連で院生時代に自分で買った本だと思います.まだ学部では微分方程式の安定性とかの基礎的なことしか勉強してませんでしたし,それすらちゃんと理解できているかわかりませんでしたが,この本は非常にわかりやすく書かれていると思います(当時の私がどれだけちゃんと理解できていたかは怪しいですが).

 

まず,生物学におけると言いつつ,数学的な記述は生物学に依存し過ぎない形で書かれており,かつ数学的に厳密過ぎない直感的にわかりやすい説明がされています.そして,モチベーションや方向付けがしっかりしていて,今自分がどこにいるのかが非常にわかりやすいです.

 

生物学というと,何やらやたらと記憶しなくてはいけない学問という先入観がありましたが,この本のように物理学や数学を使ったアプローチで現象をすっきりと記述するモデリングの美しさを感じました.

 

自分自身でパターン形成とか力学系の研究はあまりしてきませんでしたが,この本を読んでいたベースがあったので,力学系などの話も素人なりになんとなくは理解できるようになったと思います.