toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

D.M.Titterington, A.F.M.Smith, U.E.Makov "Statistical Analysis of Finite Mixture Models", Wiley 1985

相変わらず本棚の冊数は見た目全然減った気がしませんが,毎日見ているうちにどんな本が多いか少ないかといった様子がわかるようになってきました.小さなトピックで目立つのはカーネル法,混合分布,MCMC,情報幾何で,これらは一時期関係ある本をとりあえず集めたかんじがあります.あとは最適化,物理数学,脳関係,確率論関係,R関係,英語関係がクラスタをなしている感じです.

 

この本は Titterington による混合分布の本で,私がD論の主要ネタとなった,オランダでやっていた混合分布の理論解析の論文を書いていたころに買った本です.Titterington は統計学でも機械学習でも著名な研究者ですが,直接お目にかかったことはありません(どこかの国際会議で講演を聞いたことがあるようなないような...).今調べると,ちょうど今年の4月に亡くなられたということで何か不思議な気持ちになりました.

 

本をぱらぱら見ると,統計学の人が書いたものと,機械学習の人が書いたものというのは,なんとなく雰囲気が違うように感じます.具体的にどこというのを言うのは難しいですが,統計学だと回帰分析の係数にβを使うのに対して,機械学習では a とか w とかを使いがちとか,具体的な数値例や図の提示の仕方がそれぞれの分野独特の違いがあります.

 

この本は機械学習で混合分布が注目されるよりも前に書かれた本です.私がこの本を買って最初に見た時は章の名前に Learning about the parameters of a mixture とかあって,Learning というのが機械学習の意味での学習かと思っていたのですが,今改めて読むと,本文中には learning という言葉は出てこないので,これは単に混合分布のパラメータについてお勉強しましょうという意味だということを知りました.