次元に比べてデータ数が圧倒的に多い漸近論の世界というのはもうかなりやりつくされていることもあり、また現実問題は少数データ+高次元という状況が圧倒的に多いので、それに対応する理論が求められています。
青嶋先生たちのこの本は、主成分分析を中心として、高次元少数データにおける理論解析や対処法をまとめられている本です。青嶋先生は筑波大の先生ですが、実のところ一度もお会いしたことがありません。ひとつには、筑波大と産総研が意外に遠いということがあり、また、ここでも統計学と機械学習のコミュニティの違いのような壁があってお知り合いになる機会がなかったということかと思います。
青嶋先生は ibis で招待講演もされているようですが、私は学会はそれほどまじめに参加していないので、あまり記憶に残っていません。最近は学会もリモートやハイブリッドが増えましたが、学会の最大の意味は私にとっては人との交流だと思っているので、講演やポスターは軽く流し見る程度にしています。なかなかリモートだとできないしょうもない雑談や情報交換したり、リモートで会う機会も少ない人たちと会うことはふだん孤独に仕事をしている自分にとってはよい気分転換になっていると思います。