toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

T.W.Anderson "An Introduction to Multivariate Statistical Analysis (Second edition)" Wiley 1984

情報数理研究室は伝統的に多変量解析に関する研究が盛んで、修士まではほとんど触れてこなかった私は、大津さんや栗田さん、麻生さんなどが書かれた論文などを読んで断片的に知識を貯めていった感じでしたが、かなり後の方になってまともな教科書ということで買ったのがこの本です。

 

今は Third edition も出ているようですが、例にもれず分厚いです。この手の統計多変量解析の本が分厚くなる理由は、多変量解析手法だけの説明だとあっという間に終わるのに、仮説検定や統計量の分布なんかの議論がすごくたくさんくっついていることにあります。機械学習だと仮説検定とかしませんし、学習理論とかではなく単なるアルゴリズムの研究だと、その追加された部分はいらない情報になります(こう書くと多変量解析の先生には怒られそうですが)。

 

この本を買った頃にカーネル正準相関分析について少しアイディアを持っていたので、その確認という意味合いが強かったです。とはいえ、正準相関分析はこの本の中でもほんの一部だけ触れられているにすぎません。本がたまる一つの理由がこれで、本の中のほんの一部の違いだけを求めて、ほかはほとんど同じような本がたくさん集まってしまいます。