C.G.Small, D.L.McLeish "Hilbert space methods in probability & statistical inference" Wiley-interscience 1994
タイトルからすると再生核とかその辺を期待して買った本でしたが,中身はセミパラとかの本でした.ちょうどこのころ川鍋さん・甘利先生と金谷先生とのバトルもあり,関心事ではあったのですが,あまり議論の本質を理解しきれてはいませんでした.Bickel とか Godambe の本に比べるとぱっと見は読みやすそうなので少しずつ読み解いていこうと思います.
子供のころからなりたい職業は少しずつ変わっていった話は前に書きましたが,研究者というのは修士に入るまではあまり想像していませんでした.成績も特によかったわけではなかったですし,何かすごくこだわりをもった研究対象があったわけでもありませんでした.ただ,甘利研にいて,甘利先生をはじめとして研究者の方々が生き生きとしている様子,ほとんど遊びながら仕事をしている様子なんかをみて,自分にもできるのではないかというちょっとした錯覚が起きてこの道に進んだのかなと思います.
今は博士の試験に落ちたというと意外な顔をされることも多いですが,当時は確かに狭き門でした.計数の博士の数学の試験は3時間くらいで何問かある問題のうち数問選んで解くという形式でした.その頃実は結婚も決まっていて,博士に行って親の世話になるというのは考えられなかったのもあって,特に博士のための勉強はしませんでした.
しかし,そんな中途半端な態度で問題が解けるはずもなく,完全に解けた問題はほとんどなかった気がします.電総研に入ったときに,伏見研のM2の人に私が受けた問題について聞かれて解いてみた時にはそんなに苦労なく解けたので,やはり気持ちの問題と,試験の場での空気というのもあったのかもしれません.