この確率論教程シリーズは伊庭さんに教えてもらったシリーズだったと思いますが,その第6巻がこの本です.確率論というのはこの本のように物理学に近くて,一方統計学は文系の学問という感じがします.このように近いものが意外に離れているということはよく起きます.
産総研の中でもAI応用とかやっている人よりは脳科学とかサイエンス寄りの人にシンパシーを感じます.基礎という価値観を共有できているということかもしれません.研究所のトップ層の人たちはそういう考えはないようですが.
あと,物理学者はこの本にある相転移という現象が好きだなという印象です.確かに連続的にだらだらと変化していく様子は驚きがないので,研究に驚き度という軸を取れば,相転移のような現象は確かに高い数値となることは納得できます.