toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

P. J. Bickel, C.A.J. Klaassen, Y. Ritov, J.A.Wellner "Efficient and Adaptive Estimation for Semiparametic Models" Springer 1993

セミパラメトリックは以前にも書いたように、甘利先生川鍋さんを中心として一時期かなり盛り上がった話題で、金谷先生も巻き込んでいまいち本質がわからないことになっていました。単純に言ってしまえば、x から y への回帰で、x にもノイズがのると途端に難しい話がわくというようなことですが、現実的にはベイズ推定でなんとかなるのではとか思ってしまいますが、厳密にその性能を調べるには結構大変な数学が必要ということかと思います。それでセミパラの有名人たちが書いたこの本を買ってはみたものの結局ほとんど読んでいません。

 

セミパラに直接関係するというわけではないですが、x にもノイズがのっているという状況でベイズ的なモデリングで伊庭さんの原案で論文を書きました。実験的には結構性能を出すのが難しかったのですが、MCMCカーネルトリックを使えるというアイディア自体が面白いというテーマでした。伊庭さんは結構ストイックなので、先行研究に似たようなのがあるともう論文出せないというようなことをよくおっしゃっていましたが、私は全く同じでなければOKくらいの気持ちで最終的にはパブリッシュすることができました。

 

ベイズでできるとはいっても、ベイズの性能はモデルが正しいかどうかにかなり依存してしまうので、本当はちゃんとセミパラ的な状況で性能を解析しないといけないとは思います。