toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

前原昭二「数理論理学序説」共立出版 1966

計算数理工学とかで論理学の教科書として買ったものです.どうしてこの見た目マニアックな本を選んだのか記憶にありませんが,学生の頃休みで時間があれば散歩に行っていた神保町界隈で物色して,論理学における完全性定理と不完全性定理が載っているコンパクトな本ということで買ったのでしょう.

 

私の手元にあるのは 1985 年の初版8刷ですが検印もちゃんと押されていて貴重な本です.学生の頃は 1960 年代,つまり自分の生まれたころの研究というのはもうかなり古い研究という認識でした.同じことを今考えてみると 2000 年代なかば頃ということになり,自分の感覚ではまだ最近ですし,カーネル本もその領域に入りつつあります.ただ,深層学習前夜ということもありますし若い人たちにとっては,私が学生時代に抱いていたのと同じような感覚をもつのかもしれません.

 

この本はコンパクトな入門書という位置づけですが,自分にとっては十分すぎる内容で,入門書?と言いたくなりますが,思えばこの先には深遠な数学基礎論という世界が控えていて,その底知れぬ奥底への入り口だと思えばちょうどいいレベルなのかもしれません.