toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

竹内 啓「確率分布の近似」教育出版 1975

過去の記憶を掘り起こしていくのは、常に断片的で靄がかかったようにどうしても曖昧な文章になってしまいます。一方で過去の落書き帳や研究落書き帳を読み返すと、記憶が新しいのでライブな感じで本当は記憶が新しいうちに残しておくのがベストだなあとは思います。

 

小学校3年生まで尾張旭市という田舎に住んでいました。近くにはため池とか小川とかがあるようなところで、ただし新興住宅地ということで、もともと何もなかったところにちょうど家がどんどんできていった場所だったのだと思います。よく「よい子はここで遊ばない」という札を無視して金網超えて水辺で川エビとかつかまえたり、どじょうの短いやつみたいなのをつかまえてこっそり家の勉強机の引き出しのプラスチックケースに水入れて飼ってみたりしました。今考えると危ないのですが、工事現場なんかも当時はよい遊び場でした。工事現場とかも昔はのんびりしていたのか、無人で休んでいる時間帯が多くて、特に囲いとかもなかった気がします。家から学校の通学路にもまだまだ田んぼがいっぱい広がっていて、ザリガニやカエルなんかもうじゃううじゃいました。以前書いたように小3の終わりに名古屋に引っ越してからはそんなにワイルドな遊びはできなくなりました。

 

さて、今日の本とは全く関係ない話になりましたが、竹内啓先生の文章は、いかにも思いつくままどんどん書き進めたという感じです。私とかは全体の構成考えたり、かとおもうと最初からだらだらと書いてみたり、また全部消して書き直したりと試行錯誤の山で、できあがったものもなんとなくぎこちなくなってしまうのですが、竹内先生とかはそうではなく、流れるように思いついたことをどんどん書いているんだなということがわかります。流れすぎて凡人にはついていけなくなることもありますが、この本はさすがにそれで不親切すぎると思われたのか、最後にまとめがあって助かります。

 

確率分布の近似という言葉を聞くと、確率分布の推定と近いように思ってしまいますが、実際には漸近展開とかの話なので理論展開の道具ということで全く用途が違います。これが当時は数理統計の王道という感じでした。たぶん私もそれはそれですごいとは思ったと思いますが、混合分布とかノンパラ推定とか、複雑な確率分布の話に興味が移っていったように思います。