toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

雨宮好文「現代電子回路学I・II」オーム社 1979

計数でも計測はともかく数理については回路というのは線形代数やらテンソルなんかの数学的なモデルの例題に過ぎないような扱いでした.計測がメインである回路学はたしか山崎先生がまだいらっしゃったときに受講した記憶がありますが,やはりこの分厚い教科書だけが残っていて,講義の内容とか単位を取ったかどうかとか全く記憶にありません.

 

小学校の時に電子ブロックで遊んでいた時から,回路というものの不思議さは感じていました.抵抗とかコンデンサとか高校物理の範囲で個々の動作や数個の素子からなる単純な回路の動作特性は比較的容易にわかりますが,ステレオアンプやラジオ,その他基板上にみっしりと部品が配置されて一つの動きをなすのはマジックとしか思えませんでした.

 

この本にはさまざまな回路の動作が載っていますが,私がもともと疑問に抱いていた回路設計学というような内容はあまりないように思います.つまり,ソフトウェアで言えばプログラミング作法のようなものです.トポロジーとしてはここに抵抗を入れてみたいなことができるとは思うのですが,抵抗値やコンデンサ容量なんかをどのように決めるかについては全く想像もつきません.

 

大学の工場実習で長崎の三菱電機に行ったときも,基本的な回路はもうすでに与えられていて,パラメータの決定をするのにかなりの数値最適化をしてやっと所望の動作をするということを経験しましたが,回路の構造なんかは経験と勘で天才的な人が考え出した歴史という感じなのでしょうか.今この歳になってもそのあたりはよくわからないままです.