toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

植田一三,妻鳥千鶴子「英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニング」ペレ出版 2004

英語の本はいろいろありますが,たぶん同じ年代の研究者の中でも私は英語がかなり苦手な方です.大学に入ったときに教科書の和訳で同級生にディスられたというのは書いたと思いますが,そもそも子供のころから英語というのはかなり遠い存在でした.昔書いた中学の時に行っていた山北塾という個人塾では数学のほかに英語も教えていましたが,英語の教え方はまさに数学的でした.文法とか語法を数学や物理の法則のようにノートにきっちり書いていった覚えがあります.そういえば山北先生は牛乳瓶の底のような眼鏡をかけていましたが,老眼で近くを見るときには眼鏡をずらして裸眼で見ていました.それが自分がまさに同じようなしぐさをするようになるとは全く当時はそうぞうできていませんでした.

 

研究者なんだから自分の研究のことは英語で議論できるだろうと一般には思われがちですが,私の場合は全くそうではありません.細かいところになると英語だと全く発想とか思考が鈍くなる間隔があります.なので,日英両方で議論できる器用な外国人の場合には申し訳ないですが日本語ベースにしてもらっています.

 

ここで取り上げた本もそうした状況を少しは改善しようと思って買った本の一つです.まあほとんど開いた形跡はありません.英語でがっつり議論するという経験は実はそんなにないのですが,一つはオランダに滞在してた時はがんばって英語でしゃべりました.自分ながらつたない英語という意識はありましたが,まあある程度研究を続けていけばその内容に関しては意思が通じるようになりました.Kappen の家に招待してもらったときは,奥様がスペイン人で,お互いにノンネイティブなので,なんとかがんばって意思疎通していました.

 

もう一つは,Jordan のところに遊びに行ったときには Gert Lanckriet とか David Blei とか Francis Bach とか,それこそ Jordan に自分の研究を説明するのは無茶苦茶緊張しました.Jordan は日本への理解が深かったので私のつたない英語でもまあ理解してくれていましたが,それ以外からはかなり見下された感じがします.その後 Learning workshop という NIPS の前身となったような合宿形式のワークショップがあり,Jordan のところに行ったつてで招待されたのですが,そこは日本人ゼロだったので,いつものように甘えることができず,食事のときから雑談まですべて外国人と話す必要があり,まあ正直全然ついていけませんでした.

 

そうした経験を経て,結局甘えて日本人で固まっているのが楽だということに気づいてしまったダメ人間なので,若い方々にはそれを反面教師として英語をがんばってもらいたいと思います.