toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

石黒 真木夫, 乾 敏郎, 田邊 國士, 松本 隆 「階層ベイズモデルとその周辺―時系列・画像・認知への応用」岩波書店 2004

機械学習の研究者の視点から見ると、この本の著者や内容はかなり際物に感じます。そもそもベイズもわざわざ「階層」とかつける必要があるのかどうかすら怪しい気がします。これは統計学の歴史に由来するものだと思います。

 

著者については、最も有名な統計学者の石黒先生については、直接の面識はないので、どのような人となりなのかはよく知りません。EIC など情報量規準での研究そのものはいろいろ勉強したので知っていますが、ベイズを超えてというような節のタイトル付けを見るとちょっと警戒心を抱いてしまうような方なのかなと勝手に想像してしまいます。

 

乾先生は、最近自由エネルギー原理という宗教がかった話で有名な先生ですが、以前に阪大の狩野先生に呼ばれてトークさせていただいたときに、乾先生とセットでした。文系の先生らしく、数理というよりはなにやら哲学的なところに興味があるという感じであまり話が合わなかった記憶があります。

 

田邊先生は、カーネル本を書いている前後に面識を得た気がしますが、カーネルリッジ回帰なんかを論文にされていました。その前から最適化などに造詣のある先生という印象です。よく研究会などでお見掛けし、積極的に質問される態度は見習うべきだなと思う一方で、結構的外れな質問をされていることもあるので、ちょっと冷めた目で見ている部分もありましたが、この本に書かれている内容は非常に共感できるものでした。

 

松本先生は初期の ibis などに関われていた方で、非常に元気な方という印象です。一度早稲田か ibis でかで声をかけていただいたような記憶もあります。研究自体ではあまり交流はなかったのでそれ以上の印象はありません。

 

結構ネガティブなイメージで書いてしまいましたが、これらの先生はある意味とんがっていて、私が持ち合わせていない強い個性をもった方々なので、ある意味見習うべき存在だと思っています。ただし、それぞれの先生の真似をするのは不可能なタイプなので、自分の個性というのをどう発揮していくかについてはいまだに模索中ではあります。