toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

辰濃 和男「文章の書き方」岩波書店 1994

この本はよい文章を書くためのバイブル的な存在として知られていて、自分もそういうものに触れたいと思って買った本です。もちろん、論文なんかを書くために書かれた本でないことは重々承知で、いわゆる芸術性や味わいといったものをいかに出すかということを知るために読みました。遅筆で書くことが苦手な自分が言うのもなんですが、いつかは論文ではない文学のようなものを書いてみたいという漠然とした願望は昔から持っていました。

 

ただ、どうしても理系脳になっているからか、この本で言われていることがどうも腑に落ちませんでした。芸術性とかそもそも語るのが難しいのかもしれませんが、書道といい、絵画といい、文章といい、なんらかの価値基準で善し悪しが語られているようにも思うのですが、それがどうにもはっきりとはしていない気がしてしまいます。

 

そもそも自分の仕事の分野でのいろいろな評価、例えば科研費の審査や採用における評価、グループ長だったときはメンバーの年度評価や昇格評価など、歳を取ると評価を行うことがたくさん出てきます。振り返ってみたときに、自分が正しい評価を下せていたかということについて全くの自信がありません。

 

ただし、自分の身の回りで見てみると、優秀な人たちはたとえ一度や二度理不尽な評価で一時的に不幸な境遇になったとしても、その後なんとか這い上がって最終的には評価されている人が多いようにも思います。とはいえ、それに甘んじて適当な評価をすればよいというわけではなく、常に正当な評価ができるように精進したいとは思っています。