toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

北原和夫ほか「非平衡系の科学I・II・III」講談社 1994

なんとなく年度末で,気持ちがせわしなくてここの更新もちょっとおろそかになっています.産総研での残された時間はまだ2年もあるので,のんびりやっていけばよいのですが,こういうのはさぼりだすととめどなくなるので,少なくとも本の整理をはじめてから1年経つ4月半ばくらいまではほぼ毎日の更新を続けようと思います.最近自分の過去の話はほとんど書いていないので,その辺も頭の奥底から引っ張り出すようにしたいと思います.

 

さて,平衡統計力学すら理解が怪しいのに,非平衡系の専門書を買うのもどうかなと思いますが,まあいろいろな知識を幅広く吸収する欲求に従って本を買ってきていて,この本もその一環です.とはいえたいして読んではいないのですが,ざっと見た感じは反応拡散とか緩和ダイナミクスとか,主に神経回路系で勉強してきた内容と重なる部分は多いので,それほど手が付けられないという分野ではないです.

 

本とは関係ありませんが,最初の海外出張(海外渡航はロスに次いで2回目)は 1993 年にボストン・アムステルダム・ボンという大型出張でした.垂線距離を最小にする曲線当てはめでボストンの SPIE の Vision geometry という会議で発表,その後アムステルダムに行き ICANN で忘却連想記憶の容量の話を発表,そして RWCP で知りあった Muelenbein 氏のいるボンの GMD にちょっとだけ訪問しました.このとき室田先生にもお世話になりました.日本に帰るのに ドイツからまたアメリカ経由で帰りました.世界一周するよりも往復の方が安かったということです.

 

当時は海外出張の旅費を研究費から出すのが結構大変でした.細かいことは忘れましたが何かのプロジェクトで申請して出してもらった記憶があります.また,パスポートは公用旅券という特殊なパスポートで,普通のパスポートと違って1回きりしか使えず,何の特権もなく,逆に帰りのフランクフルトですごく怪しまれてかなり長い間尋問されました.麻薬が出回っているオランダ経由というのと,室田先生に助けてもらって会議資料は全部日本に送り返してしまったのと,公用旅券などという見慣れないパスポートを持っていて,しかもズタボロの服を着ていて怪しさ満点でした.電総研での出張はわりと最後の方まで公用旅券でした.