toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

J.D.Lee 「基礎無機化学」改訂版 東京化学同人 1979

以前に有機化学の本を取り上げましたが、それの無機科学版です。大学入試の季節ですが、私が東大に入ったのも運の要素がかなり強いと思います。統計をやっていれば当然のことですが、大部分の受験生はボーダー付近に集まっていて、それらの人にとっては、問題の傾向だったりそのときの調子だったりという運に左右される要素が大きいと思います。あと、あまり語られることはないですが、記述式のテストでは採点のゆらぎもかなり大きいと思います。

 

私が受けたときも、私より成績の良い亀山君という同級生がいましたが、事情は分かりませんが彼は現役の時は不合格になり、次の年に入ってきました。彼の場合は実力ではボーダーより上のレベルにあったと思いますが、私のようなボーダーライン人間が合格して彼が落ちるというのを見て、受験というのは運要素が強いという気持ちが強くなりました。

 

その後彼は航空宇宙に進んだと思うので、やはりできる人は一度くらい失敗してもいずれそれをとりもどすということを身近に実例で感じた人でした。その後も、結局実力ある人はいろいろあっても取り戻す人が多いですし、あるいは一般的には失敗といわれるところから方向性を変えて別の力を発揮する人も結構多い気がします。

 

統計学的には十分たくさんの経験ができるとはいえない人生ですが、まあどんな人生でもそれぞれの人にいろいろな物語があること自体面白いことだと思います。