toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

P.R.ローンズ, W.W.クーリー 「計算機実験をとりいれた初等統計」サイエンス社 1971

この本の入手経路は忘れてしまったのですが,個人的にお世話になった訳者の伏見先生ご自身が所持されていたものが私のところに回ってきた可能性が高いです.古い本で,中の紙も劣化が進んで特に周辺部の日焼けがすごいです.

 

計算機実験は FORTRAN がベースでパンチカードでプログラムを作るタイプです.以前書きましたが大学2年の時の最初の計算機演習は私もパンチカードで FORTRAN でプログラム作りました.

 

伏見先生と言えば乱数に関する研究でも有名ですがこの本でも合同乗算法による簡易的な乱数生成法が説明されています.乱数については別の本で詳しく書こうと思います.

 

最近統計の方と話す機会が増えましたが,岩崎学先生の講演を聞いたときに,統計学の講義ではいかに魅力的なデータを見つけてそれを講義に取り入れるかが重要,というようなお話をされていて,統計の論文と機械学習の論文の大きな違いを発見して,目から鱗でした.機械学習の人にはそういう感覚はなくて,手法の数理的な面白さを前面に押し出す気がします.もしかすると私の講義の受けが悪いのはその辺に理由があるのかもしれません.今後は少し取り上げるデータのことも考えていこうと思いました.

 

一方この本では統計学の教科書と言いつつシミュレーションが多いので,岩崎先生が言われていたような魅力的なデータというのはほとんど出てこず,逆に私などは安心してしまいます.