toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

菊地文雄,岡部政之「有限要素システム入門」日科技連 1986

有限要素法の原理を計数の専門の最初の方で勉強した記憶はかすかにあるのですが,何の授業のどの先生だったか全く覚えていません.ともかくこうして教科書も持っているわけですが,たいして読んだ形跡もありません.有限要素法はかなり高度ですが,微分積分の離散近似で,できるだけ離散化誤差が小さくなるようにいろいろ工夫するのは計算していて面白かった記憶があります.

 

中のプログラムが BASIC で書かれているのも時代を感じます.いまや BASIC に関する本をコンピュータ書籍の中から見つけるのは大変ですが,昔は(特にパソコン少年にとって)一般向けの言語として BASIC がもっともポピュラーでした. FORTRAN とか COBOL はむしろそんなのが世の中にはあるらしいくらいのイメージでした.

 

なお,この本にも書いてあるように,有限要素法自体の研究をすることが主眼というよりは,それを適用可能な応用事例を探索することに主な関心事があるように思います.統計学の先生とかも,数理統計のがちがちに理論的なところに興味のある人はむしろ少数派で,世の中から統計的な問題を抽出して実用的な解決を目指すという人が多数派だということを知ったのは実は結構最近のことです.