toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

B. Efron "The Jackknife, the Bootstrap and Other Resampling Plans", SIAM 1982

計数の3年生だか4年生だかに計数輪講という必修単位がありましたが、それまで輪講という言葉すら聞いたことがなかった私は何をどうしてよいのか全く分かっていませんでした。

 

最初になんとか理解したのは、論文を読んでその内容をみんなの前で発表することということでした。どのようなシステムだったか忘れましたが、数理の全員よりは少ない人数のグループ単位で輪講していたようなかすかな記憶があります。あいうえお順ということか、確か一番最初の担当になって、これも記憶があやふやですが広津先生に統計関係の論文を割り当てられました。

 

英語も統計もどっちもよくわかっていなかったので、とりあえずほぼ全訳したものをベースに口頭で説明したように思います。レジュメを作るとかそういう発想もなく(レジュメという言葉すら知らなかった)、だらだらと発表していたので広津先生(だったかと思いますが)に指導されたように記憶しています。まあ、その後慣れていって輪講のなんたるかをやっと理解できるようになりました。

 

最初に読んだ論文の中身はほとんど完全に忘れましたが、ジャックナイフというキーワードはなんとなく覚えています。でもそのときは最尤法すら知らなくて、ジャックナイフなんかの深い話が論文に書いてあったとしても全く理解できなかったと思います。

 

Efron のこの本は洋書には珍しく 100ページ未満の薄い本です。本を買った当時は Efron がどういう人物なのかもよくわかっていませんでしたし、これらのリサンプリング法そのものを理解するには 100 ページでも多すぎるくらいでした。とはいえ、今眺めてみるといろいろと面白そうな話が書いてあるので読んでみようという気になりました。どんな本でも読者のベースラインとのマッチングがうまく取れていなければ読まれないということなんだと思います。