特異モデルといえば渡辺澄夫さんのイメージが強いですが、この本には渡辺理論は触れられていません。むしろ渡辺理論以外の特異モデルの解析を勉強するのに非常に有用な本です。著者は4名ですが、福水さんと栗木さんがメインを書いていて、後の大御所二人が追加で書いているという本です。メインの部分は福水さん・栗木さんらしく、かなり数学的に書かれていて、この本を買った当時は通読するのがかなりしんどい感じでした。今ならもう少し読めるかと思うので少しずつ勉強していこうと思います。
ちなみになぜこの本で渡辺理論が触れられていないかというと、おそらく 2004 年ころはまだ渡辺理論がそれほど完成されていなかったからだろうと思います。
さて、福水さんは私より一つ学年下なのでまだ３０代での著作ということになりますね。栗木さんは以前も書いたように私が学部生のころ広津研の助手をされていて、その後かなり空いたあと、博士論文の審査などでお会いして、私が統数研に移ってから現在は非常にお世話になっております。一方、大御所お二人とは残念ながら面識はありません。赤平先生は筑波大におられたのでお会いする機会があってもよかったと思いますが、統計とは距離があったためお会いできませんでした。ちなみに産総研と筑波大は山手線で言えば東京と新宿くらい離れている気がするので実はそれほど近いとは言えないかもしれません。
