toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

J.A.Lee, M. Verleysen "Nonlinear dimensionality reduction" Springer 2007

次元削減のいい本がないかと思って買った本ですが,これは正直期待外れでした.t-SNE とかも載っていないし(SNE だけかろうじて載っています),深層学習系はもともと期待はしていませんでしたが載っていません.枯れた手法を体系的に書くというのはそれなりに意味があるのだと思いますが,それもなくて,スイスロールとかの比較実験みたいなのがいっぱい載っているという本です.

 

このブログシリーズは必ずしも書評が目的ではないので,これくらいにしておきますが,これを反面教師として私が次元削減の本をこの薄い300ページくらいで書くとして,どう書くかは結構悩むかもしれません.

 

次元削減という話は電総研に入って大津さん・栗田さん・麻生さんなどから影響を受けて,主としてやってきたテーマではあるように思います.ただ,次元削減というテーマは広すぎてなかなか本にするのが難しいと思います.自分自身の仕事としては,カーネル関係,情報幾何関係,正準相関関係などに限定することで独自性を出してきたかなと思います.日野さんと次元推定の論文を出したこともありますが,あれは議論に参加させてもらっただけで,自分の仕事という感じはないです.