toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

L.Lamport ”LaTeX: A Document Preparation System” Addison-Wesley 1986

電総研に入ると、論文作成は基本的に LaTeX で書くことになりますが、前にも書いたように卒論修論は基本手書きで参考文献だけ plain TeX で書くという情弱ぶりだったので、LaTeX のことはよく知りませんでした。この本以外に参考となる本もなかったので、最初はこの本を頼りに論文を書いていました。

 

電総研でポストマスタをやった後くらいに、電総研情報系の手引きを執筆することになり、なぜか私は LaTeX の使い方みたいなのを担当しました。ただ、その頃から続々と解説本が日本語でも出版されたので、実質的にその解説が役に立つことはほとんどなかったと思います。

 

当時は TeXX windows も、ソースコードからコンパイルしてインストールするというのが当たり前の時代でした。主には ftp サイトからダウンロードしてコンパイルする形だったと思います。今は ftp が http になった程度で基本的には変わりません。OS や日本語対応なんかでパッチをあてないとコンパイルエラーが出ることがあって、そのノウハウが蓄積されていました。

 

インストールした後の TeX ソースのコンパイルWindows が出るまでは主に Sun のワークステーションコンパイルすることが多かったですが、まだワークステーションが高価だったときは手元の PC98 互換機の MS-DOS 上でコンパイルしていました。PC でもワークステーションでも今と比べてかなりコンパイルに時間がかかったので、pdf にするのではなく dvi のプレビューワーを使うのが基本でした(厳密にいえばそもそも pdf がまだ一般的ではなかったので ps にして印刷していました)。

 

主な情報源はネットニュースでした。日本だと fj とか、海外だと comp とかニュースグループがあって、それをブラウズするのが今のネットサーフィンで情報を得ているのと似たような感覚で使っていました。電総研にいらっしゃった佐藤豊さんという方が作成したニュースリーダーを電総研のほとんどの人は使っていました。当時もネットニュースでは mohta さんとか void さんとか変な人がたくさんいて、あえて燃料投下して炎上させるようなことがたくさん起きていました。その辺りは今も昔も大して進歩がありません。