toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

伊藤正夫(編)「脳と思考」紀伊国屋書店 1991

学生の頃からずっと脳科学情報科学がつかず離れずで進んできた状況を見てきました.この本もそうですが,いろいろなプロジェクトが立ち上がり,その成果物の一つとして本が生まれます.まあ書いてある内容はどれも似たり寄ったりという気もします.

 

この手のプロジェクトは,予算を通すための政治的な意図や策略がこめられていて,純粋に自然科学を追求するというだけではない胡散臭さもやや感じます.そんな純粋なものなどお花畑の世界でそもそも存在しないのかもしれません.

 

脳科学情報科学というテーマはそもそも難題です.だから,そもそもそんなすごい成果が5年や10年で出てくることは期待してはいけないように思います.それでも人的交流して,長く続けることに意義はあると思います.

 

私の考え方のベースとして,テーマよりも人が優先というのがあります.どんなに立派なテーマを立てても携わる人がだめならうまくいかないと思っています.また,スター選手だけ集めればよいわけではなくて,人と人とのシナジーが生まれるような組み合わせが必要です.人間関係は目に見えにくいですが,プロジェクトの成否に大きくかかわるファクターだと思います.これはプロジェクトのプロポーザルではなかなか見えてこないのが厄介なところで,CRESTなどプロジェクトのアドバイザリボードの人とかはそのあたりを見極められる人であることが望ましいとは思いますが,実際のところどうなんでしょうか.まあ私のこうした考え方自体に賛同できないと言われてしまえばそれまでなのですが.