toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

J.S.Liu "Monte Carlo Strategies in Scientific Computing" Springer 2001

単純なモンテカルロ法は学部生でも習ったと思いますが,MCMC に到達するには結構な年月がかかりました.この本はコンパクトにモンテカルロ法MCMCに関するオーバービューができる良書だと思います.ただ,HMC=hybrid/Hamilton Monte Carlo とか,呼び方が複数ある場合は,どちらかしか載ってなかったりするので辞書的に使うのにはちょっと向いていないかもしれません.

 

ところで,産総研では発足時から20年にわたってグループ長という役目を務めさせていただきましたが,自分の人生の中で「長」と名の付くものにはほとんど縁がありません.まあたいていの人には「向いていない」という風に言われます.実際グループ長時代は,自分がリーダーとして引っ張っていくわけでも,部下に指示を出すわけでもなく,自分がやったことといえば上からの理不尽なタスクをできるだけバリアすることくらいでした.

 

前も書きましたが,小中学校のときは児童会・生徒会の役員に先生から言われて立候補してものの落選.小学校の時に一度だけクラスの学級委員をやったのが「長」の中では一番上だったかなと思います.なので,やったこともない「長」の人たちに文句を言うのは筋違いかなという気もしますが,私が経験したほとんどの上司の人たちは大したことない人たちでした.

 

研究部門長は,研究に寄りすぎて政治的に弱くなったり,政治に走りすぎて部門の研究モチベーションを下げたりと,あまりバランスが取れた人がいなかったように思います.その中では,持丸さんは当初思っていたよりは基礎研究に理解がある感じがしました.とはいえ分野も若干違うこともあり,よくわからないプロジェクトに担ぎ出されて表面的にご一緒することはありましたが,研究の場でまともに議論する機会はありませんでした.