toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

塚本健「経済学原論」東京大学出版会 1980

教養の文系科目の一つが経済学で,この本の著者が担当教授でした.著書を教科書に選ぶというのも大学の先生のいいビジネスモデルだと思います.通常この手の本はそんなに売れませんから.大教室での講義で受講生の数も多かったと思います.今思えば古本で買えばよかったと思いますが,入学当時はまじめに新品で教科書を買っていました.

 

高校では政経の授業があったかどうかすら記憶にないくらいなので,基本的に私の知識は義務教育とその後の社会生活において身についたものです.理系知識と違って,割と基本的な部分の解説はテレビなんかでもよく解説があるように思います.

 

ただ,逆に言えば文系科目はそういった普通に身につく知識より上にどのような学問的な高みがあるのかというのが理系人間としては気になるところです.この本は原論という名前の総論に過ぎないのでそういったフレーバーはほとんどなく,一般知識を難しい言葉でまとめているだけのようにも思えます.

 

この本で扱うレベルの経済学は縦書き本にして言葉で説明するよりも,横書きにして数式でシンプルにモデル化したほうが圧倒的にわかりやすくなるのだと思いますが,これも理系人間側から見た一方的な理解にすぎないのかもしれません.数式で書かれてもよくわからないから言葉にしてほしいという人たちとは全く理解の仕方が違うような気もして,文系と理系を分けざるを得ないのかなと思ったりもします.