toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

甘利俊一「神経回路網の数理―脳の情報処理様式」産業図書 1978

私の恩師である甘利先生の名著である神経回路網の数理。

 

もともと高校生くらいの時から人工知能とかに興味があり、計数にもそういう感じで進んだんですが、ちょうど第2次ニューロブームでニューラルネットワークという面白そうなものがあるということで、学部時代にこれを読んで甘利研を志望したきっかけになった本です。

 

修士に入って甘利先生からこの本を読んでおくよう勧められて、まだ自分に関してよくわからない勘違いをしていた自分は「もう読んでだいたいわかってます」みたいなことを思っていた記憶があります。

 

実はこの本はかなり深くて、最近の深層学習の解析技術にも関係する神経統計力学の神髄に触れられます。とりあえずわかった気になって、実は深いというのは甘利先生そのものを表しているように思います。甘利先生の講義・講演はすぐにわかったような気になるけど、後になってみるとそのときは全然わかっていなかったことに気づくことも多かったですし、普段ゲームとか遊びの話ばかりしていていて学生から見るとたいしたことない先生に見えて実はすごい人だということが後になってわかるというタイプです。

 

甘利先生の話はこれからもいろいろ書いていくことになると思いますが、この本を読むと深層学習も数理的に骨のある本が欲しいなと思います。