toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

小出昭一郎「物理学」裳華房 1975

この本はたぶん高3か大学初年度に買った本だと思います.物理は生物や化学に比べれば覚えることは少ないはずなんですが,それでも多岐にわたる分野なので,この辺の歳ではまだ全貌がよくわかりません.そういう意味では,物理学全体を見るのに薄くてわかりやすいこの本は最初はすごく助けられました.

 

ただし,大学で単位を取るとなると,この本だけの範囲では厳しいので,それぞれの専門書を買って読むことになりますが,かっこつけて難しい本を買ってしまいがちなので,それらの本はたいてい消化不良を起こし挫折して,また別の本を試すというようなことをやってきたように思います.なので,物理の教科書は結構たくさん増えてしまいました.

 

今読み返してみると,大学教養の物理としてはこれで十分な気がしますが,専門での物理としては,統計力学が全くない(熱力学のみ)のと,ハミルトニアンとかシュレーディンガー方程式とかは言葉だけ出てきて深堀されていないので,そこをもう少ししていけばという感じでしょうか.

 

このように教科書は,レベルに応じて必要な内容もだんだんと変化していきます.固定化された1冊の本ではレベルが固定化されています.よくある一つの工夫は,章に*みたいなマークを付けて,発展的な内容なのでここはスキップしてもOKのような表示をすることです.

 

もう一つは wiki のような構造を取れば,本当に初心者に必要な概要から,専門家の知るべきマニアックなものまでリンクを駆使すればいくらでもレベルを調整した解説ができるはずです.最初機械学習でそれをちょっとやってみようとしましたが,その後,朱鷺の杜wikiにそういう働きをさせられないかと思いました.全然自分で書いていないのですが,それこそこびとさんたちが作ってくれるといいなと思っています.ただ,ふつうに wikipedia のような構造だと1項目1解説が基本になるので,初心者向け解説とか専門家向け解説とか調整してもらうといいのかもしれません.あるいはchatGPT がもっと信頼性のおける文章生成ができれば解決するのかもしれません.