toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

マーティン・アイグナー、ギュンター・M.ツィーグラー「天書の証明」 丸善出版 2012

本を題材にした自分の振り返りも早4か月ほど経ちましたが、研究室の本はまだ無数にあってまだまだ底が見えません。ほぼ自分のための記録ですが、知っている方にしても知らない方にしてもここを訪れてくださる方はとてもありがたいです。細くても外とつながっていると感じることが文章を書くモチベーションになっています。

 

さて、研究の道具として数学は使っていますが、いわゆる定理という形で論文にすることは少ない気がします。アルゴリズムの場合は数式による導出されたものがそのままアルゴリズムになるわけです。一方、アルゴリズムの評価は評価式というのが得られるので、それは多少は定理という形になるでしょうか。ただし、いわゆる名前の付くような定理を証明することには一種のあこがれのようなものを感じます。

 

この本はもともとポール・エルデシュが発案された定理と証明集です。私もそうですが世の中の多くの論文に乗っている定理は、前提となる定理をベースにしてさらにその先の定理を証明したり、定理を少しアレンジするような形です。この本に載っているのはそういうものではなく、基本的にクローズドフォームで理解できるもので、そのほとんどの軸となるのは鳩ノ巣原理のようなそれ単体では非常に単純なものです。

 

なぜこの本を知ったのか忘れてしまいましたが、とても面白くて一気に読み進んだように記憶しています。

 

なお、エルデシュとの共著関係を何回で到達できるかという指標にエルデシュ数というのがありますが、私は甘利先生を経由して4になっていて、まあ多くの人は3か4となっていますが、ほとんどみんな同じなので比べる意味はあまりないようにも思います。